ARATAのようは俳優を本当に「美しい」というのだと思う。
逆にわたしは、テレビで人気の高い「テレビ俳優」や「テレビ歌手」たちのほとんどを「美しい」などと思ったことがない。
わたしの感覚を人に圧しつける気は別にないが、まあ正直言うと、悪しき日常性のみを強調するテレビの中の「有名人」を「スター」扱いする風潮はフェイドアウトしていくべきだと思う。
このテーマは実は、一般に思われているより深い。
戦後日本人のメンタリティ形成に深く関わっている。

「チェイス 国税査察官」最終回のARATA。
悪しき日常性から大きく逸脱した姿がまだ焼きついている。
どす黒さの混じった血。
魂の底から絞り出すような声。
そして蒼白の顔が、死を迎えたときには灰色を帯びる。

吉高由里子も本当はそのような世界の住人。