「Mother」第7話は、娘のいる部屋へ向かおうとした尾野真千子の手を松雪泰子がつかむところで終わる。
このシーンはほとんどホラー映画演出のパターンで、まず尾野真千子の手を誰かの手がつかむシーンだけ現れて、その手の主は明示されない。
次の瞬間、その手が松雪泰子のものだと分かるのだが、蒼白の顔、目を見開いて無言で立つ松雪泰子に、やはりホラー演出のテイストが見てとれる。
そもそも尾野真千子が田中裕子の散髪屋へ来てからは、まったくテレビドラマ離れした緊迫感が持続し続ける。
緊迫感の中には、ひょっとしたら「過去の殺人」を示唆した田中裕子が尾野真千子を殺してしまうのではないか、そんな可能性さえも含まれている。
そしてその逆、追いつめられた尾野真千子が田中裕子を殺してしまうのではないかという可能性さえも。
まさしく「本物の殺気」・・、テレビ女優には不可能な、映画女優ならではの迫力だと思う。

「Mother」第8話は冒頭から松雪泰子、田中裕子、尾野真千子が揃うだろう。
見ものである。

さて「美丘」が注目される吉高由里子だが、WOWOWの「豆腐姉妹」も忘れてはならない。
スタートは7月31日。
こちらの作品に関してもどんどんリポートしていく。