「ギルティ」はもちろんストーリーのディテールを見ていくとツッコミだらけとなるけれど、あの雰囲気を作り上げているだけでも評価したい。
明るさのないストーリー展開、テレビドラマとしては異例の「闇」を生かした映像作り、重々しいピアノを中心としたサントラ・・。
「明るく明快」が悪しき持ち味である日本のテレビドラマの「特徴」はほぼないに等しいドラマ作りが心地よいのだ。
「ギルティ」の中で玉木宏は今まで以上にいい俳優に見える。
いわば「のだめ」の世界を払拭して俳優とした新たな段階へ行った姿ということか。
「ギルティ」第7話視聴率は13.3%だった。

このところ三島由紀夫没後40年の話題をしているが、三島が映画に「主演」した作品が「からっ風野郎」だ。
「からっ風野郎」は増村保造監督。
まあフランスのヌーヴェル・バーグを意識した犯罪映画なのだけど、三島由紀夫の「浮き」ようが凄い。
一人「別世界の人間」が入り込んでいるようなイメージなのだ。
最近では芥川賞作家川上未映子なども大きな役で映画出演したが、比較にならない強烈なキャラクターだ。
このギトギトした増村保造世界。
吉高由里子はこんな世界に合っていると思うのだけれど。