「ガルシアの首」サム・ペキンパー監督

「アバター」はそりゃあおもしろかったけれど、「あれが映画」ということになっては困る。最初から人間を描く気などまったくないような映画がこのところ多過ぎるので。
「ガルシアの首」のウォーレン・オーツは、クドく、油っこく、髪は薄く、乱暴で、ぜんぜんファッショナブルではなく、そしてなぜか歯が白い。(笑)
この男が「今の生活」から抜け出すために、既に死んでいるはずの「ガルシア」の首を墓場から盗み出して賞金を稼ごうとする過程で不条理な暴力に巻き込まれていく。
これだけの映画だが、荒唐無稽化する展開の中でもしっかりと「人間」が浮き彫りになり、今だからこそ新鮮でもある。

6点