映画女優、映像の女優は「顔」がよくなければならない。
この場合の「顔がいい」とは単に美人であるとか整っているとかではなくて、とりわけ大きなスクリーンに巨大な顔が映されて、観客はそれを観ていて飽きないどころかエキサイトするくらいでなければならない。
もちろん吉高由里子は現在の日本で「顔がいい」代表的な女優の一人だが、「美しい隣人」を観て来て、仲間由紀恵を、しかも「美しい隣人」の沙希のような不可解な役を演ずる仲間由紀恵をスクリーンで観たくなった。
もともと「リング0」などで映画女優としての才能を見せつけていた仲間由紀恵だけれど、「美しい隣人」では、映像演技に格段の成長が見られた。
「舞台芝居」とはまったく表現をこここまで明確に提示できる女優はそうそういない。
今の仲間由紀恵であれば、すでに映画女優としての地位を確立した感のある松たか子や深津絵里などと比べても遜色ない気がするのだ。
(寺島しのぶはまた別の次元だろう)