NHK朝ドラマに出演する俳優は「NHK朝ドラマ的演技」を要求されることはNHK朝ドラマをさほど観ていない人間でも知っていることだ。簡単に言えば｢非常に単純化した分かりやすい演技｣。昔の４コマ漫画のように｢起承転結｣で最後は｢ギャフン!｣的パターンを演技によって実行するようなものである。井上真央はもともと(最近は映画へも出演しているし、今後はどうなるか分からないが) ｢起承転結｣で最後は｢ギャフン!｣的パターン演技を得意とするというか、だいたいどれを観てもそうなっている女優だからNHK朝ドラマにはぴったりだと言えるだろう。既に画面からはみ出しそうな圧倒的パワーを発揮して売る満島ひかりについてはここで触れない。わたしが「おひさま」を観ながら「困ったなあ、早送りしようかなあ」と頭を抱えているのが斉藤由貴の演技だ。以前から「ワザトラ」演技には定評（？）があったが、「おひさま」ではちょっと限度を超えている。「いったいなぜこれでOKが出るんだ?」と首を捻りたくなる暴走ぶりである。しかし斉藤由貴は「若尾文子に話を聴く」人間として登場しているので、斉藤由貴を早送りすると偉大な若尾文子も「送られてしまう」（笑）というジレンマが今ここに存在する。

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