米アカデミー賞助演男優賞にノミネートされた渡辺謙の「ハリウッド・スター」としての実績は日本人俳優として飛び抜けているけれど役所広司も「バベル」などで米国でも映画ファンには馴染みだ。
もちろんカンヌ映画祭でパルム・ドールを受賞した今村昇平監督の「うなぎ」などへ主演したことにより、よりアーティスティックなイメージが強い。
しかしそれよりも何よりも役所広司の長きに渡って日本映画を支えて来た実績というのは誰も真似することができないクオリティであり、それ以上に魂だ。

渡辺謙は凄い。
しかしそれにも増して役所広司は凄い。
「どちらが」などと決めるべきではないし、世間的にも十分確認されているかのように見える役所広司の凄さだけれど、その一般的な「確認」よりも遥かに凄いことを日本社会は「再確認」せねばならない。