●末尾ルコ「フィリピン ドゥテルテ大統領とダバオ・デス・スクワッド、ピープルパワー革命とルビー・モレノ」。

末尾ルコ「国際情勢で、知性と感性を鍛えるレッスン」

フィリピン ドゥテルテ大統領は大東町になる前からその過激な方針や発言で名を成していたわけだが、ダバオ市長の時には「ダバオ・デス・スクワッド」と呼ばれる自警団組織を容認しており、その「ダバオ・デス・スクワッド」は私刑によって犯罪者の殺害を行っていたという。
「私刑」と聞くと、(とんでもない!)と思ひがちだが、ドゥテルテ市長の次期に劇的にダバオ市の治安が改善したという結果が出ているようで、そうでなければ大統領まで昇り詰めた理由が分からないところだろう。
現代的人権の考え方としては、「万人に同様の人権が保障される」となるのだろうが、実際に残忍な犯罪者が跋扈する地域に住んでいて、「殺人者にも人権があるのだから」と言い続けられるかは、想像力を働かせてよく考えねばならない。

フィリピンのニュースが日本で最も報道されたのは、ベニグノ・アキノ氏暗殺からマルコス大統領、イメルダ夫人逃亡に至るまでのエドゥサ革命(ピープルパワー革命)の次期だった。
マルコス大統領&イメルダ夫人と暗殺されたベニグノ・アキノの娘コラソン・アキノの対決という極めて分かりやすい構図に加え、大統領夫妻がパフォーマンスを披露する「マラカニアン宮殿」などのエキゾティックなイメージも日本のニュース番組で扱いやすかったわけだ。

で、ふと思い出したのがルビー・モレノというフィリピン人女優。
崔洋一監督の『月はどっちに出ている』で国内映画賞主演女優賞を総なめし、確かに顔立ちもプロポーションも非常に魅力的で、日本に「イロモノ」でない、本格的外国人映画女優の誕生を確信させたが、本人の生活態度に大問題があり、ポシャった人生となってしまったのは残念なことだった。

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