●プロに転向した内村航平は「スーパースター」となれるか?

末尾ルコ「言語感覚を磨き、知性と感性を鍛えるレッスン」

東京五輪が控えているものだから、「五輪でメダルが取れそうな競技」に対してバブル的に注目度が高まっているが、プロ転向を表明した内村航平、ケンブリッジ飛鳥、あるいは卓球の「プロリーグ設立か」などという話題を目にすると、(どうなんだろう)との感は否めない。
この件についてはいろいろ思うところがあるので随時お話していくけれど、今回は「スーパースター」という言葉について少し。
内村航平がプロ転向会見をした際、見た目が「美川憲一」に似ているとの意見が多かったのはさて置いて、プロアスリートの手本・目標として挙げたのが、

「錦織圭君や北島康介さんたちのようなスーパースター」

という言い方をしていた。

「スーパースター」。

この談話に対しネットのコメント欄では、「内村航平さん、あなたもスーパースターですよ」的な書き込みも成されていたが、それはとても違うとわたしは思うし、内村航平本人も(自分は違う。けれど目指したい)という思いで語ったのだろう。

特に日本は「アイドル的人気」が社会を支配していて、

「スター」
あるいは
「スーパースター」

といった概念がとても曖昧で希薄だ。

けっこうこれは「日本人の精神性」を考える上で大事なことであり、今後もテーマとして取り上げていこう。