末尾ルコ「スーパースター クリスティーナ・ムラデノビッチ、誕生しかけて、引っ込んだ」。

末尾ルコ「テニス観戦の話題で知性と感性を鍛えるレッスン」

2017年全仏オープンテニス4回戦で、前年優勝者のガルビネ・ムグルッサを、とてつもない会場の雰囲気と共に打ち破ったクリスティーナ・ムラデノビッチだったが、準々決勝でベテランのティメア・バシンスキーに、ほぼ成すすべない展開で敗退する。
この試合もムラデノビッチについてだけの話ではなく、女子テニス界にセリーナ・ウィリアムズ、マリア・シャラポワ以来のスーパースターが生まれない象徴の一つのように見える。
要するに、「ここで勝ち抜けば、スーパースターになれる」という場所まで来て、勝ち切れないのだ。
どんなに頑張っても、その資質によって、スーパースターになれないアスリートも多くいる。
その点、クリスティーナ・ムラデノビッチは2017年ローラン・ギャロスで、「スーパースタになれる要素がすべて揃っていた」、あるいは「準備されていた」とさえ言えたのだが。