●就寝時、なぜか痒くなった深夜の話。

末尾ルコ「日常描写で、知性と感性を鍛えるレッスン」

8月も後半に差し掛かったある夜のこと。
夜と言っても午前3時を越えており、既に明け方に近くはあったが。
ベッドに入り、フローベルの『聖アントワヌの誘惑』を少しだけ読んで眠りに就いたというのにしばらくして目が覚めた。
背中が数か所痒い。
蚊?
しかしその気配はない。
何だろう。時計を見れば、4時過ぎ。
眠りに就いた後、一時間程度で目が覚めてしまったことになる。
(ち)
舌打ちしながらウナを塗る。
痒みは確かに和らいだ。
ウナめ、憎からず思うぞ。