●『ブレードランナー2049』を支配するのは、「実存主義」と「不条理」なのか?

末尾ルコ「映画の話題で、知性と感性を鍛えるレッスン」

『ブレードランナー2049』は、サイバーパンク的快感を期待したらやや外される。リドリー・スコットが35年前に描いた絶望的な未来社会はもちろんのこと随所に観ることができて感激するのだが、それ以上に『ブレードランナー2049』を支配しているのはもう最近ではほとんど使われることの無くなった言葉、「実存主義的」あるいは「不条理感」だ。