●オカダカズチカVSオスプレイが猪木VSゴッチ?あるいは棚橋弘至の「ストロングスタイルとはただの言葉」発言と『バガボンド』、そしてボボ・ブラジルのヘッドバット!

末尾ルコ「プロレスの話題で、知性と感性を鍛えるレッスン」

新日本プロレスのオカダカズチカが3月6日のウィル・オスプレイ戦について、この試合は既にオカダが勝利をしているわけだが、「猪木対カール・ゴッチからストロングスタイルがどれだけ進化したかお見せしたい」的な談話をしていたけれど、(あれ、何言ってんの、この人?)といういかにも唐突感のある言葉ではあった。
現代レスラーとしてのオカダカズチカのよさはよく分かっており、ディスるつもりはまったくないけれど、そんなオカダこそ、新日プロの中では猪木から最も遠い存在の一人であって、オカダ自身猪木のことはもともとほとんど知らなかっただろうし、こだわりもないのだと思うのだが。
だからオカダの口からいきなり「猪木VSゴッチ」という言葉が出るとは思えず、当然誰かからの入れ知恵、あるいは「会社の方針」としての宣伝文句なのだろうが、今の新日自体ずっと「脱猪木色」路線だったので、やはり唐突感は否めなかった。
オカダカズチカについて考えてみれば、かつての多くの新日レスラーのような、リアル格闘技に対するこだわりやコンプレックスが一切なさそうなのがいいのか悪いのか微妙なところではある。
そして現在のオカダは確かに極めて見栄えのいい派手なファイトをするけれど、どうしても物足りなさを感じてしまうのだが、その大きな原因の一つが、「オカダと同程度以上の体格のライバルレスラーがいない」というところではないか。
まあこれは、オカダの試合で大満足しているファンにとっては、(何言ってんの?)の世界だろうが、わたしから見れば、現在の新日マットは小柄なレスラーが多過ぎて、オカダの体格が突出しており、常に余裕綽々でファイトしている。
もちろん試合展開上、「窮地に陥る」シーンも多々あるのだが、いかにも「窮地に陥ってます」という意図も雰囲気も手に取るように伝わってきて、これは本来はいただけないのである。
しかし新日本プロレスで常時ファイトしているレスラーでオカダよりも大きいとなるとバッドラック・ファレなどしかおらず、以前にも書いたように、オカダVSファレは、ひたすら(オカダが下手なファレに付き合わねばならず、たいへん・・・)という印象しか持てなかった。

ところで「ストロングスタイル」と言えば、棚橋弘至の「ストロングスタイルっていうのはただの言葉」というマイクアピールが(プロレスファンには)よく知られているが、このフレーズは漫画『バガボンド』で柳生石舟斎が宮本武蔵に、「天下無双とはただの言葉だ」的なことを言ったシーンに棚橋が影響を受けていた・・・という説はあるのだろうか、ないのだろうか。

などと書きながら、次の短い動画を発見した。

「ボボ・ブラジルのデビュー当時のジャンピング・ヘッドバット(https://www.youtube.com/watch?v=umweflPFpIg)」

う~む、「これぞ、ストロングスタイル!」ではないかな、凄い迫力だ!