ちろんここでわたしは現在の日本に稀な「威厳」や「風格」を岩下志麻に見出しているわけだが、もう一つこの回の『SWITCHインタビュー 達人達(たち)』でとても印象に残ったのが、岩下志麻が語った小津安二郎の言葉。
だいたい次のような意味の言葉だ。

「人間の感情は単純ではなく、泣きたい気持ちの時に泣いているとは限らない」

そして、何を言いたいかはお分かりですね。
現在の俳優たちが強いられている演技がいかに、「人間の感情を単純化したもの」か。
そしてそれを名演技と信ずる鑑賞者(?)たちの多いことといったら。