『疑惑』とは松本清張の原作を野村芳太郎が監督。
桃井かおりと岩下志麻がダブル主演のような形で、桃井かおりが殺人事件の被疑者、岩下志麻が担当の弁護士を演じている。
岩下志麻よりも桃井かおりが10歳年下だが、70~80年代の桃井かおりの圧力は極めて大きなものがあり、日本映画黄金時代を知る大女優岩下志麻ともがっぷり四つで火花を散らしている。
「二大女優が対峙し、火花を散らす」
こんなシチュエーションは、邦画史上はもちろん、世界映画史上でもそうそうはない。
大物女優が並び立ち共演というのは映画として極めて難しい創作なのである。