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小説 瑛次、神秘のアンチエイジング 2 [小説 瑛次、神秘のアンチエイジング]

「若さへの執着」・・それがそんなにいけないことか?
 瑛次はそんなことを考えながら一週間を過ごした。その間恋人の瑞樹とは一度も会わなかった。
 一週間過ぎると、なんと6回目の「ものぐさ老人日記」が掲載されている。
 今回の副題が「若いつもり 自他に多大な被害も」だった。
 その文の中で岸田は、老人は「後期高齢者」という言葉も、クルマに貼り付ける「もみじマーク」も受け入れるべきだ、と主張してしている。
 さらに「振り込めさぎ」にひっかかるのも「老人が老人であることを否認し、まだ若いつもりであることも一因」ではないかと書いている。
 
 「こりゃあ、ひどいな」
 瑛次は思わずつぶやいて、食べかけのワンタンメンを新聞へこぼした。
 「ああ」
 瑛次は思わず叫んだ。大好きなワンタンが新聞の上でたゆたっているのだ。
 (これじゃ何のためにワンタンメンを買ったのかわからない。くやし~い)
 
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