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杉本彩のSMと吉高由里子のSM、 [吉高由里子]

杉本彩を嫌いなわけではない。
けれど団鬼六の「花と蛇」が杉本彩かとなると、
「全然違う」と言わざるを得ない。
杉本彩が生かされるのは「お笑い的セクシー路線」であって、
本物の「SMジャポネーズ」にはもっとも遠いタイプの一人だろう。

例えば寺島しのぶが「愛の流刑地」で主演したことでも分かるように、
日本は未だ「激しいラブシーン」に多くの女優が二の足を踏むことから、
「有名女優」の中でそのような作品に出演する候補は非常に限られたものとなっている。
本来「愛の流刑地」をやるとしたら、
寺島しのぶではないだろう。
どう見ても、
トヨエツが夢中になるような魅惑的な女には見えない。
例えば鈴木京香が一度でもそのような役に踏み出していたら、
現在のような中途半端なポジションにはいないと思われて残念だ。

杉本彩の作品を全てチェックしているわけではないが(笑・そこまで酔狂ではない)、
一番楽しめたのは「帰ってきた時効警察」の尾沢ミツコ役だ。
「バッチグーよ」の決め言葉を駆使する杉本彩は
実にスラップスティックな魅力があった。

吉高由里子の「蛇にピアス」は
SM的シーンがありながら「SM的官能」とは無縁のものだった。
もともと原作にも「SM的官能」はないのだが。
吉高由里子の「SM的官能」を観たいのなら、
やはり「紺野さんと遊ぼう」を、ということになる。

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