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吉高由里子「蛇にピアス」と日常性の対立。北川景子のバイオリンシーン。 [吉高由里子]

昨日の「蛇にピアス」の話を続けるが、福本次郎が「商店街を歩きながら普通の日常生活を送る人々を見下すシーン」と表現したシーン。
「見下す」という見方がまず違うと思う。
吉高由里子演じるルイは「普通の日常生活」を「憎悪」しているのだ。
「見下す」と「憎悪する」のとはまったく違う。
どちらかと言えば「日常生活」に見下されているのはルイの方だろう。
福田次郎はここで「バカ女」と「日常生活」のみが対立させられているとしか考えていないようだが、それも違う。
ここで対立させられているのは「人間の表面のみを取り繕うことのみを重要視する日常生活」と「ルイに象徴される、人間性の深部に気付いてしまった者たち」なのだ。
このシーンを「無知で自堕落なギャルが普通の生活者を見下している」としか見ないのであれば、「蛇にピアス」だけではなく、どんなマージナルな文化も理解できないのではないか。

話変わって、「ブザー・ビート」で北川景子のバイオリンシーンにいつも楽しませてもらっているが、
とんねるずの番組に出ていた彼女の言によると、すでに「一曲ぐらいは弾ける」ようになっているそうだ。
さすが北川景子!
短い準備期間でそれだけのレベルに達するなんて。
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コメント 4

オクサナ

こんばんは。この福田次郎の記事、かなり前に読んだ事あります。『蛇にピアス』の事は、かなり酷評してましたね。『蛇にピアス』は評価が二分に分かれましたし、映画評論家の方々は殆ど酷評していたような記憶があります。“キネマ旬報”で4コマ漫画のページを持っている安西水丸さんは、かなり評価していましたが…。



福田次郎は、最後に「ルイはいずれはお茶をひいてるだろう」と書いてましたね。



ルイは19歳。私自身19歳の頃は、一番 男性からアプローチされていた時でした。下品な言葉で表現すれば、何人もの男から言い寄られていた時。『蛇にピアス』は殺人事件が絡むので常識人は嫌うかもしれませんが、19歳頃の女の子は スパッスパッと男性を切り捨ててしまう一面があるのではないでしょうか?常識人の福田次郎には、その辺わからないでしょう。だから、ルイはいずれはお茶をひいている…なんて言えるのでしょう。
by オクサナ (2009-08-09 19:53) 

末尾ルコ(アルベール)

映画は観る人によってどんな感想を持ってもいいですが、福田次郎の観方は「浅薄」としか言いようがなく、取り上げた次第です。
わたしは「蛇のピアス」を「映画的完成度」だけで語る気はなく、吉高由里子を中心とした3人によって生まれたとてつもなくパワフルな「存在」としてとらえています。
このような見方も、もちろんわたしの主観でしかありませんが、ルイを単なる頭の弱い傲慢な女としかとらえられないよりは百万光年以上ましかと。

あのシーンに「マージナル」の苦しさを感じられないようではどうしようもないですよね。

それと既成の知識だけ豊富な「映画評論家」の退屈さは困ってしまいます。
淀川長冶さんのような人はもう現れないのでしょうね。

                          末尾ルコ(アルベール)
by 末尾ルコ(アルベール) (2009-08-09 22:54) 

オクサナ

こんにちは。たしかに、淀長さんのような映画評論家は今後現れないでしょうね。映画を心の底から愛し続けた方でした。私が印象に残っているのは、“金曜洋画劇場”で『シザーハンズ』をかなり評価していた事です。高齢でもいつまでも瑞々しい感性を持ち続けた方でした。
by オクサナ (2009-08-11 14:28) 

末尾ルコ(アルベール)

「シザーハンズ」は素晴らしかったですね。最近のティム・バートンは、どうも趣味的に過ぎて、逆に印象が薄いような気がします。
淀長さんは確固とした美意識に基づいた人生を送りました。映画評論家の範疇ではないですね。あれだけの有名人が、「映画のこと」以外の番組には絶対出なかったというのもその一つ。その点、「弟子」のおすぎなんかは中途半端と言うか・・。

                        末尾ルコ(アルベール)
by 末尾ルコ(アルベール) (2009-08-12 00:00) 

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