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美を求める神話・美を求める妖精  「コクトー詩集」コクトー著 堀口大學訳 [ルコ的読書]

多くのフランス文学、フランス詩で感じられるのは、あまり馴染みのない人には意外かもしれないが、ひたすら精神の底まで下っていく体験。
最近ではずいぶん「軽み」を帯びたフランス文学も増えてきた観があるが、かつては多くのフランス文学に「暗黒」という言葉が似合った。
「重く」「暗い」・・しかし凄まじい力があり、美しい。
そんなフランス文学の世界で、やはりジャン・コクトーは特筆すべき存在だが、多彩で軽快なゆえに感情移入しにくいのも事実。
しかしそれにしても「美」だけを追求したようにも見える彼の人生は神話の中の不可解な妖精のような魅力がある。

ピカソに捧げるオード より

君の魔法のギターにひかれ
物体までが君のあとからついてくる
オルフェよ、恋しい君の幽霊までが

       「コクトー詩集」コクトー著 堀口大學訳

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白熊パパ

コクトーもバタイユも翻訳あってるんですかね?
訳者のアドリブも意外と多いのでは?
by 白熊パパ (2009-12-18 23:42) 

末尾ルコ(アルベール)

白熊パパ様
完全に「あっている」翻訳というのは不可能だと思うんですよ。
訳者のアドリブも含めて楽しむというスタンスですね。

                               RUKO
by 末尾ルコ(アルベール) (2009-12-19 00:02) 

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