「恋の病」に効く音楽。 「Oh My Darling, Clementine」と「荒野の決闘」のストイシズム。

「荒野の決闘」に溢れている雰囲気は、現代では滅多に見ることのできなくなった「ストイシズム」というものだろう。
「悪」の理不尽な振る舞いを前にしても冷静さを失うことなく、鉄槌を下すべき時期には完膚なきまでに振るい、叩きのめす。
ワイアット・アープ（ヘンリー・フォンダ）は麗しのクレメンタインに強い想いを寄せながらもそれをあからさまに告げもせず、ましてや「交際」を求めることなどありようもない。
「恋」は成就した後に陳腐化してしまうことが多いから、こんなストイシズムは「恋」を永遠化する行為だと言えるかもしれない。

ところで「Oh My Darling, Clementine」だが、「荒野の決闘」のために作られたものでなく、古くから伝わる歌だという。
歌詞の内容は生きている恋人に対する賛美などではなく、すでに死んでしまったクレメンタインという女性に対する強烈な哀しみを歌い上げたものとなっている。
そんなことも踏まえながら聴けば、感興も新たになるかもしれない。
わたしはなった。（笑）

タグ：アート 音楽 ｢荒野の決闘｣ 「Oh My Darling, Clementine」 ｢恋の病｣ ストィシズム

コメント 8

昔、「Oh My Darling、Oh My Darling」
と歌うアニメの主人公がいたんですが、
誰だったか忘れてしまいました。
この歌にはそのイメージが強くあるので
そんな哀しい歌とは知りませんでした。
by 空兵 (2010-08-12 20:08) 

空兵様

確かに歌詞を知らずに聴くと、「哀しい」イメージはあまりないですよね。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ＲＵＫＯ
by 末尾ルコ（アルベール） (2010-08-12 22:46) 

おはです
西部劇は残酷というイメージだけで、何となく目を背けて
いましたが、そうですか～やはり観てみなくては・・・
「開拓物語」なんですよね☆そこに描かれている正義に
触れてみたいと（ＲＵＫＯ様の記事から）思いました。

クレメンタインの歌詞も知りません～
こういう決めつけで損をしていることたくさんあるんですよね～
・・・私のことですよ＾＾；

by スマイル (2010-08-13 08:12) 

BANANA FISHのオープニングかなぁ
ヾ(゜▽゜)ノ あはは～♪ 　映像化されて無いけど・・・・（確か）
by nano (2010-08-13 08:15) 

スマイル様

あ、「荒野の決闘」は従来の「西部劇」と言うイメージとは全く違いますよ。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ＲＵＫＯ
by 末尾ルコ（アルベール） (2010-08-13 09:51) 

ｎａｎｏ様

「BANANA FISH」ですか！

　　　　　　　　　　　　　　　　　ＲＵＫＯ
by 末尾ルコ（アルベール） (2010-08-13 09:52) 

不思議なのは、、、
「Oh My Darling, Clementine」が、
なぜ、「雪よ、岩よ、われ等が宿り」なんでしょ？
お陰で、私は子どものころ、ずっと、
むさい山男の歌だと思ってました。
（ウチの父が山男で、よく歌ってたもんで）
by cjlewis (2010-08-13 10:45) 

cjlewis様

（笑）
まったく・・、何で関係ない歌になっちゃうんですかねえ。
と言うか、スタンダードな名曲にヘンな日本語の歌詞をつけるの止めてほしいですね。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ＲＵＫＯ
by 末尾ルコ（アルベール） (2010-08-13 12:07)