SSブログ

●末尾ルコ かつて語った『夜明けの祈り』1 [「言葉」による革命]

『夜明けの祈り』の素晴らしさはその事実に基づいた深刻なストーリー以上のその映像として映し出されるものによっている。雪の積もったロケーションは美しくそれを見た瞬間に異世界へと誘ってくれ、さらに随所にラ・トゥールやフェルメールの作品を引用したかのような静謐にして厳格なシーンが現れ愉しませてくれる。しかしそれ以上に目を奪われるのはカトリック修道女たちの姿だ。彼女らの肉体の中で外部に露出しているのは顔のみ。白と黒だけでデザインされた僧服は修道院や教会の中の外装にも内装にも見事にフィットしていて、しかも多人数の修道女たちが同時に動き回る姿はそれだけで非日常なスペクタクルとなっている。

タグ:アート 映画
nice!(5)  コメント(0) 
共通テーマ:アート

nice! 5

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。