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●末尾ルコつて語ったロバート・ショウ 2 [「言葉」による革命]

『ジョーズ』のことは誰もが知っていた。その映画の中で神話の中の神のごとき鮫狩りの名手クイントを演じたロバート・ショウの死は、『高知新聞』夕刊の片隅に近い場所に掲載された。五一歳、死の前3年間ほどの間、主演映画が目白押しだったハリウッドスターの突然の死に対してそっけない記事がポツンとあった。その記事以上に彼の死に日本の空気は微動さえしなかった。私の心は(え)と小さな声を上げたが、それ以上何もできなかった。まだロバート・ショウには思い入れはあったけれど、心の一番上にある人間はアントニオ猪木でありロジャー・ウォーターズであり、そしてロバート・デ・ニーロだった。インターネットの気配すらない時代、ロバート・ショウの死に対してさらに追求する方法はなく、身近に彼の死を共に哀しむ同胞もいなかった。そもそも私の中にロバート・ショウの死を(哀しもう、悼もう)というまでの感情は既に無かった。
タグ:アート 映画
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