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「公」と「秘密」  「犬を連れた奥さん」 [ルコ的読書]

「公然の生活」。
そこで「自分」を出せる人はどのくらいいるだろうか。
まったく「自分」を出せない人。
あるいは「公然の生活」の「自分」が「自分」だと思い込んでいても、潜在意識は常に悲鳴を上げていることも。
家庭でさえ「公然の生活」と化している人もいる。
次の文章に見るグーロフのような状況。
できるならば、このような「状況」を持ちたいと思う人は多いことだろう。
ときに「公」だけでは、苦しくていられなくなるものだ。

グーロフには二つの生活があった。一つは公然の生活、だれにでも見たい人には見せられる生活、真実や虚偽のかたちをとった約束事でいっぱいの、友人知人たちの生活とそっくり同じ生活であり、もう一つは密かに営まれる生活である。

                     「犬を連れた奥さん」チェーホフ著 小笠原豊樹訳
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コメント 4

mimimomo

おはようございます^^
どちらかというと・・・家にいても公然タイプ・・・かなmimimomo


by mimimomo (2009-11-19 08:39) 

末尾ルコ(アルベール)

mimimomo様

おはようございます。
そんなケースが多いでしょうね。
わたしは・・どうだろう・・ふふふ(美笑)

                       ルコ
by 末尾ルコ(アルベール) (2009-11-19 09:17) 

ciscokid

昔、『他人の顔』と言う映画がありましたね。
by ciscokid (2009-11-19 09:55) 

末尾ルコ(アルベール)

ciscokid様

「他人の顔」というのは、安部公房原作・勅使河原宏監督のものでしょうか。これは未見です。

                         ルコ
by 末尾ルコ(アルベール) (2009-11-19 11:01) 

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