永遠性を獲得した芸術 「ヴェルレーヌ詩集」堀口大學訳 新潮文庫

「秋の歌」は見ての通り、とても短い詩である。
そしてそれがこうしておそらくは人類の文明が続く限り読み継がれていく。
考えてみれば、あるいは考えなくても、素晴らしいことだ。
何かを創作することをライフワークとしている人間であれば、「途方もないこと」であろうとも「そこ」へ目標を置きたいものだ。

「秋の歌」の中盤。


時の鐘
鳴りも出づれば
　せつなくも胸せまり、
思いぞ出づる
来し方に
　涙は湧く。

Tout suffocant
Et blême, quand
Sonne l'heure,
Je me souviens
Des jours anciens
Et je pleure;

　　「ヴェルレーヌ詩集」堀口大學訳　新潮文庫

このように感情が露わになることは、ランボーやボードレールではまず見られない。

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コメント 12

おはようございます。
そうですね。
涙がでちゃう。。。のは、女の子だもん。
男の人は、涙をこらえる事が多いですね＾＾ｗ。

でも、きれいな秋の情景を感じる詩ですね。
by バロックが好き (2010-03-02 08:09) 

おはようございます＾＾
本物の芸術は永遠ですね～
by mimimomo (2010-03-02 09:33) 

お早うございます。
やはりヴェルレーヌの詩は好きです(^｡^)
by yakko (2010-03-02 09:33) 

短歌に近い気がします。
by デルフィニウム (2010-03-02 09:49) 

高校生の頃、最初、ランボーに興味を持ち、読んだのですが、難しくて、当時はなんだかよくわかりませんでした。で、ヴェルレーヌを読んでみたら、「なんと美しい詩なんだろう」と思った覚えがあります。
詩とは関係ありませんが、私の中に深く刻みこまれているのは、ヴェルレーヌがランボーに夢中になり、ピストルで撃ってしまったという話。
「情」がとっても深い人だったんですね、きっと。だから、こんな言葉があふれてくるんでしょうね。
by cjlewis (2010-03-02 10:23) 

バロックが好き様

＞　涙がでちゃう。。。のは、女の子だもん。

　　　↑
またそんなカワイイこと書いて～。
わたしの心をわしづかみですか？？(^_-)-☆

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　RUKO
by 末尾ルコ（アルベール） (2010-03-02 12:23) 

mimimomo様

ホントそうです。
流行など関係ありません。(^^♪

　　　　　　　　　　　　　　　RUKO
by 末尾ルコ（アルベール） (2010-03-02 12:25) 

yakko様

純粋で素直な「美」がありますよね。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　RUKO
by 末尾ルコ（アルベール） (2010-03-02 12:29) 

デルフィニウム様

そうですね。
韻も踏んでいますし。

　　　　　　　　　　　　　RUKO
by 末尾ルコ（アルベール） (2010-03-02 12:31) 

cjlewis様

確かにランボーとかボードレールは、少なくとも「詩」に向かうときは、「情」よりも「芸術と対話」が第一だったように思います。

ところでランボーですが、「解釈」をしてくれている本も多いのですが、わたしはまず「言葉の組み合わせ」に痺れたらいいと思うんです。

ランボーも近いうちに取り上げますね。(^_-)-☆

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　RUKO
by 末尾ルコ（アルベール） (2010-03-02 12:47) 

普通の言葉を数少なにしか使ってないのに絵も雰囲気も音も匂いも見えるようなこの美しさと情緒。ある意味私が目指すハードコア（最小限の要素で最大限の表現）と言ったら失礼か？（笑）普遍的な魅力があるものってなんにしろそうですよね。一見平凡で簡素のようでグっときます★
by FUCKINTOSH66 (2010-03-02 15:17) 

FUCKINTOSH66様

＞　 ある意味私が目指すハードコア

おお！FUCKINTOSH66様にそう言っていただくと、紹介したわたしの嬉しさもグッグッグ～～～ですよ(^_-)-☆(^_-)-☆(^_-)-☆

それに、やはり目指すのは「最高」のものでありたいですよね！

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　RUKO
by 末尾ルコ（アルベール） (2010-03-02 18:12)