SSブログ

孤独なカキの物語 カキティーヌの部屋 3 [小説・孤独なカキの物語]

カキティーヌは思うのだ。
(ポピラン織りで縁取られたレースのカーテン越しにこのカキティーヌの姿はどう見えているのかしら、あのヘルムート・ドイッチェン・カキ公爵には・・)
カーテンの向こう。
ヘルムート公爵の影は隠れようともしていない。
「ぼくははここにいるよ、カキティーヌ。ここで君を見ているんだよ、カキティーヌ」
敢えてそう言っているような意志を感じる蔭だ。
カキティーヌは少しだけ顔を赤らめ、小さく声に出した。
「ああ、ヘルムート伯爵・・。わたしを見ているの?
いえ、覗いているの?
覗き?
これって、ヘルムート伯爵う・・」

nice!(23)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

nice! 23

コメント 2

ねこじたん

最後の う は伯爵をのばして読むとよいですか?それとも う… と言葉がつまる感じで読むとよいですか? 考え中
by ねこじたん (2010-08-09 08:51) 

末尾ルコ(アルベール)

ねこじたん様

「はくしゃくう」と官能的に♡

             RUKO
by 末尾ルコ(アルベール) (2010-08-09 10:28) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0