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NHK「白洲次郎」のまともさと、吉高由里子新ドラマ「白い春」 [吉高由里子]

伊勢谷友介はもっとも信頼してる俳優の一人だ。
映画に対する愛とリスペクトをあからさまに言葉にするのがいい。
もちろんそんな俳優は大勢いる。
しかし伊勢谷はテレビドラマに対する批判も遠慮なく口にする。
当然のことだが、
当然のことができる俳優が日本にはあまりいない。

たとえば「デブラ・ウィンガーを探して」のロザンナ・アークェット。
監督したアークェットは作品中で「テレビ映画」へ出演した経験を何度も恥じていた。
「テレビ映画」への出演はアークェットにとってトラウマ体験にも等しい。
しかし映画女優を自認する者にとって、
それは当然のことではないか。

日本では「映画もテレビも変わらない」などと言う俳優も見受けられる。
たいていは映画出演経験のほとんどない俳優が言うセリフであって、
いわば自分のキャリアを否定されることを恐れているわけだが、
彼らはテレビドラマの中で演じている自分を観て、
本当に素晴らしい「パフォーマンスをしている」と思っているのだろうか。
もし「テレビへ映りたい」という理由だけで俳優を続けているのなら、
幼稚園からやり直した方がいい。

さて信頼すべき俳優の一人伊勢谷友介が初めて選んだテレビドラマが「白洲次郎」だ。
他の出演は、
中谷美紀、原田芳雄、岸部一徳、原田美枝子、高良健吾・・。
一流の映画俳優ばかりである。
そして演出に関して伊勢谷は
「テレビドラマへ出るというので構えて行ったけれど、
演出は映画とほとんど同じスタイルだった」と語った。
つまり、あくまで映画へ価値を置いている。

確かに映像もテレビドラマのレベルではなく、
一流の映画俳優たちを揃えた気概は十分感じられた。
テレビドラマも作ろうとすれば、
「映画と同じ」ではもちろんないにしろ、
「まとも」なものを作れるわけだ。
いかに普段のテレビドラマが「ファーストフード」であることか。

さて吉高由里子が4月から「白い春」というテレビドラマへ出る。
共演が阿部寛ということで、
阿部寛はまだ一流の映画俳優とは言えないと思うけれど、
観て不快にはならない。嫌いではない。
しかし吉高由里子が上だ。
その存在において。
これから一流になれるかどうかという線まで来ている阿部寛と、
「若手」でくくられるが、
すでに一流である吉高由里子が
同じ画面に収まったときに何が見えるか、
それは楽しみにしている。

ちなみにわたしの言う「一流」とは
興行成績と何の関係もない。
映画俳優としてスクリーンに
一流の刻印を押したことがあるかどうか、
それだけが基準だ。
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