SSブログ

〈「言葉」による革命〉・・・●末尾ルコ「映画であなたの人生をより強く美しくする」講座~「黒い10人の女」の山本富士子VS岸恵子のシーンを観て、腑抜けた最近の邦画は襟を正せ!2016年10月1日 [「言葉」による革命]

●末尾ルコ「映画であなたの人生をより強く美しくする」講座~「黒い10人の女」の山本富士子VS岸恵子のシーンを観て、腑抜けた最近の邦画は襟を正せ!

・NHKの宣伝をするつもりはまったくありません。(笑)
しかしNHK BS、NHK FMはいい番組を放送しています。
BSプレミアムで放送している映画は繰り返しも多いんですが、しかし「観るべき作品」が多い。
溝口健二、小津安二郎、成瀬巳喜雄、黒澤明の作品が放送された時、未見であればもちろん、各監督の代表作は「観れば観るほど凄さが理解できる」ものばかりです。
で、この4大巨匠の他にも、市川崑監督の作品なんかも観逃がせない。
ただ、大岡昇平原作の「野火」は、映画史的には高評価の部類なのでしょうが、わたしは不満がいっぱいだった。
映画と原作とは別物だと言い条、やはり原作の持つフィリピン戦線の暑さ、汗、臭気、もっと言えば「腐敗臭」のような感覚がまったく出ていなかった。
「野火」原作の雰囲気は、映画的には大島渚の「戦場のメリークリスマス」の方が近いです。
ただ、BSプレミアムで放送された市川崑作品の中では、「黒い10人の女」は抜群の傑作だと思います。
出演は、

船越英二
岸恵子
山本富士子
宮城まり子
中村玉緒
岸田今日子

船越英二は船越英一郎の父とは信じ難いほど(笑)素晴らしい俳優でした。
「黒い10人の女」は、「ダーク」とまでは行かないけれど、「ブラック」な皮肉や笑いに満ちた内容で、その意味でも日本では珍しいクオリティです。
モノクロの陰翳の使い方も文句なしの美しさ。
そして出色はやはり女優陣。
前記した5人の女優、すべていいけれど、やはり山本富士子の存在感が際立っている。
正しく「大輪の花」です。
とりわけ岸恵子とツーショットで丁々発止の会話を交わすシーンは「日本映画女優史屈指の名場面」と言えます。
いや、「美しく、ド迫力!」。
「黒い10人の女」なんか観ると、昨今の邦画にますます不満が募ります。

nice!(14)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

nice! 14

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0