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〈「言葉」による革命〉・・・●末尾ルコ「主演はないだろ、『劇場霊』島崎遥香、こりゃあないだろ、園子音『リアル鬼ごっこ』」。2017年9月15日 [「言葉」による革命]

●末尾ルコ「主演はないだろ、『劇場霊』島崎遥香、こりゃあないだろ、園子音『リアル鬼ごっこ』」

末尾ルコ「映画で知性と感性を鍛えるレッスン」

『劇場霊』という映画が『リング』の中田秀夫監督なので観たみたけれど、そもそも主演が島崎遥香って、わたしはAKB云々商法には批判的だからぜんぜん知らなかったけれど、到底「映画主演女優」として間が持つクオリティではない。
AKBのファンにはけっこうな人気があるのだろうが、「その外側」にいる人間にとっては、とても「主演女優」として成り立つ人材ではないのだ。
もちろんどんな人間も「変わる可能性」はあるから、これからどうなるかは分からない。
しかし『劇場霊』制作時点で島崎遥香を主演に据えるのは、「お金を払って、時間を作って、映画館へ足を運ぶ」観客に対する尊敬が欠けているとしか言いようがない。
しかし日本映画界の実情、単に観客動員だけでなく、その「クオリティ」が実に厳しい。
『愛のむきだし』と『ヒミズ』の二本だけでも絶大なる感謝を寄せている園子音監督をあまり批判したくはないが、『リアル鬼ごっこ』が一〇〇〇円以上取って映画館で鑑賞するような映画であるとはとても言えない。
出演者もトリンドル玲奈、篠田麻里子を筆頭に、単刀直入に言って、ショボい。
あたかも安手の子ども用おもちゃを手渡され、「これでしばらく遊んでてください」と言われているようである。
もちろん一年間に少なからぬいい作品も作られているが、そうした映画に観客が入っているわけではなく、片やメジャー系は大方が幼稚な内容のもの。
日本映画界、極めて厳しい状況が続いている。

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コメント 1

hana2017

テレビをあまり見ないので、島崎遥香と言う名前は初めて知りました。
映画版の「リング」そのものも思わせぶりなだけ、アザトサが目立つだけでガッカリしたのを思い出します。
買って来て一気に読んでしまった鈴木光二の原作、あのワクワク、ドキドキ感が・・・、主役を女性=松嶋菜々子に変えてしまった違和感、超能力者、目に見えない想像の中の怨念を具体的な形にしてしまった事等…。
日本のホラー映画はどうしても顔のアップが多くなりがちなだけに、その辺り素人演技の連続では1時間以上の上映時間をもたせるのは困難があるのではないかとも想像します。
A・ロメロ監督の「ゾンビ」、サム・ライミ監督の初期のころの作品「死霊のはらわた」「ダークマン」…と言ったバカバカしさを狙った方向性をのものが安心して笑えて見ていられるから好きです。
異彩を放つ監督としての名高さから…私も園子音監作品では「愛のむきだし」「ヒミズ」の二本を観ました。しかしどちらもその良さが難しくて理解出来ませんでした。
この新作、仰る通りにキャストがショボイです。お金と時間をかけて見に行く価値があるのか、製作する側は考えたのでしょうか。
by hana2017 (2017-09-15 22:51) 

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