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〈「言葉」による革命〉・・・●末尾ルコ「日本映画に『サプライズ』のようないかした作品は生まれないのか?」。2017年9月16日 [「言葉」による革命]

●末尾ルコ「日本映画に『サプライズ』のようないかした作品は生まれないのか?」

末尾ルコ「映画で知性と感性を鍛えるレッスン」

ホラー映画とかサスペンス映画とか、米国にも予算的にB級C級とカテゴライズされる作品も多いけれど、その中から驚くほどおもしろいものがしょっちゅう出てくる。
そうした楽しみがこのところの日本映画には希薄なのだ。
『劇場霊』や『リアル鬼ごっこ』のキツい仕上がりについては前に述べたけれど、演出、脚本、出演者・・・すべてに於いてうんざりさせられる作品が多過ぎる。
映像を一見しただけで質感がまったく違うのである。
『リアル鬼ごっこ』とか、まるでガチャポンをやらされているような作品だった。(わたしは園子温監督の支持者ですが)
例えばアダム・ウィンガード監督の『サプライズ』という映画がある。
原題は、『You're Next』。
脚本はサイモン・バレットという人だが、名の知れた俳優は一人も出てない。
ところが90分少々の上映時間、退屈するどころか時間の経過に連れてワクワクが増してくる。
『サプライズ』は、両親の結婚35周年祝いのために集まった家族10人を、動物のマスクをした侵入者たちが襲うという展開だが、侵入者が襲って来る以前から十分におもしろい。
無名の俳優たちだが脚本がよく、それぞれのキャラクターが生きている。
特に主演格のシャーニ・ヴィンソンエリンが「実は」ということが分かってからは目茶目茶おもしろくなる。
登場人物の会話がおもしろく、「殺され方」もそれぞれ工夫が凝らされており、演出には迫力がある。
多様な楽しみが詰まった一本になっている。

●原稿依頼などは、気軽にサイドバーのアドレスへご連絡を!

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