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〈「言葉」による革命〉・・・●末尾ルコ「若尾文子『卍』における川津祐介の変態ぶりから目を離せるか?」。2017年10月3日 [「言葉」による革命]

●末尾ルコ「若尾文子『卍』における川津祐介の変態ぶりから目を離せるか?」

末尾ルコ「映画で知性と感性を鍛えるレッスン」

2016年11月にBSフジでも放送された増村保造監督の『卍』。
言わずもがなの谷崎潤一郎原作で、しかも『卍』はリリアーナ・カヴァーニ監督による珍品もあり、と頻繁に映画化されている小説だ。
「男女どちらも愛することのできる魔性の女に翻弄される周囲の人間」という大筋を成功させるためには「魔性の女」がそれらしく見えねばならず、「若尾文子」主演による映画化が存在する幸福を噛み締めねばならない。
しかも監督は増村保造。
そして共演が、岸田今日子、川津祐介、船越英二など。
岸田今日子、船越英二の素晴らしさはもちろんだけれど、『卍』で特筆すべきは川津祐介の存在。
この変態ぶり!
この異常性格!
この下劣人間ぶり!
とりわけ証書を作ってきて血判を押すだけでなく、岸田今日子と自分の腕を切って、お互いの血液をちゅうちゅう吸うシーンからは目が離せない。

そして言うまでもなく、さすが「増村&若尾」コンビ!
これはひょっとしたら、「映画監督&女優」のコンビとしては映画史上最強かもしれない。
そもそも世界を見渡しても、同じ監督と女優のコンビで傑作を連打した例はなかなか見受けられないのだから。

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コメント 1

hana2017

リリアーナ・カヴァーニ監督と言えば、シャーロット・ランプリングのほっそりとした白い裸体がイメージされる「愛の嵐」ながら。。 谷崎潤一郎の原作「卍」の映画化もしていたのですね。
若かりし頃の川津祐介は爽やかでさっそうとした印象でしたが、それだけ俳優として監督の要求にこたえた。脚本に忠実な役作りをしたと言う事でしょう(笑)
「増村&若尾」コンビ!で撮られた作品達は、「卍」を含めて現代の女優もどきタレントでは無理な内容ばかりと想像されます。
そう言えば、増村監督作品「この子の七つのお祝いに」でも岸田今日子の役柄、あの恐ろしさは格別でした。
by hana2017 (2017-10-03 13:38) 

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