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〈「言葉」による革命〉・・・●末尾ルコ「ミシェル・ウィリアムズがいつものように素敵な『フランス組曲』は不倫ロマンティックよりサスペンスを目指すべきだったか。2017年10月24日 [「言葉」による革命]

●末尾ルコ「ミシェル・ウィリアムズがいつものように素敵な『フランス組曲』は不倫ロマンティックよりサスペンスを目指すべきだったか。

末尾ルコ「映画で知性と感性を鍛えるレッスン」

ミシェル・ウィリアムズ。
故ヒース・レジャーとのいろいろはさて置いて、近年「出演しているだけで満足できる女優」の一人だ。
彫りの浅い比較的平坦な顔立ちだが、とてもチャーミングである。
プロポーションが抜群だが、十分にリアリティがある。
演技は大仰なところがなく、しかも中途半端な取り組みではない。
『マリリン 7日間の恋』『ブルーバレンタイン』での取り組みを観れば、その命懸けの役作りが手に取るように理解できるはずだ。
そしてミシェル・ウィリアムズが『フランス組曲』に主演となると、期待しない方がおかしい。
『フランス組曲』とはこれまた何と魅惑的な響きを持つタイトルであるのか。
しかも原作者はアウシュビッツで死亡しているという。

ナチス占領下のフランスの地方都市。
妻ある女とドイツ軍中尉の禁じられた恋。

フランスの田園地方の風景はいつも通り美しく、住民がドイツ空軍の機銃掃射を受けるシーンはロミー・シュナイダー、ジャン・ルイ・トランティニャンの『離愁』を彷彿させる。
もちろん『離愁』を彷彿させるのはそのシーンだけで、後は「戦争中」を背景とした珍しくない「よろめき」物語となる。
ドイツ人役の登場人物はドイツ語を喋るのに、フランス人役の登場人物は皆英語を喋る。

『フランス組曲』、米国ではなかなかの高評価だが、フランスでは『ル・モンド』や『ラ・クロワ』などが最低点を付けている。(高得点を付けているメディアもあるが)

どうせならヒッチコックタッチのしっかりとしたサスペンスにした方がよかったのではと、クライマックスでミシェル・ウィリアムズが拳銃を構える姿を(美しいな)と見惚れながら思った。

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