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〈「言葉」による革命〉・・・●末尾ルコ「ヘルツォーク『カスパー・ハウザーの謎』とカスパー・ハウザー事件の事実」。2018年2月25日 [「言葉」による革命]

●末尾ルコ「ヘルツォーク『カスパー・ハウザーの謎』とカスパー・ハウザー事件の事実」。

末尾ルコ「映画で知性と感性を鍛えるレッスン」

1800年代のドイツで起こった「カスパー・ハウザー事件」は、世界史上でも屈指の「謎」として現代にまで語り継がれています。
その事件を「映画史上の謎」と言っても過言ではないドイツのヴェルナー・ヘルツォークが映画化しているとあれば、映画ファンも歴史ファンも「必見」であるのは当然ですが、なかなか鑑賞機会がなく、わたしはこの1974年にリリースされた作品を2017年に初鑑賞しました。
馴染みの俳優も出演してない110分弱、しかし予想以上におもしろく、時間を感じさせなかった。
1828年、ニュルンベルクに突如として現れた謎の少年カスパー・ハウザーは1833年に暗殺される。
ヘルツォークはその課程をかなり克明に、時に大胆な省略も加えながら、力強く描写していく。
ガチャガチャした演出の多い昨今、この図太いシンプルさがとても心地よく鑑賞できる。

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hana2018

「カスパー・ハウザー事件」は当然、それが映画化された一件も初めて知りました。
日本では馴染みのないドイツ映画だけに出演した俳優陣、しかしカスパー・ハウザーの短い生涯、それは人としてあまりにも残酷であり、想像するだけで恐怖に満ちたもの。
人間は時として他者に対して、驚く程残忍な行為を平気でしたり、非道になれる。
そうした状況が生まれる背景や心情を描くのが文学であり、映画の題材となるのであるけれど・・・。
ケビン・ベーコンがG・オールドマン扮するアルカトラズ刑務所所長に苛め抜かれる、映画「告発」を思い出しました。
ヒステリックで狂気に満ちた、G・オールドマンのキャラ、K・ベーコンの演技は泣かせるにじゅうぶんながら・・・それが淡々とした展開であったかと言えば否。
作品全体から受けたのは、生きる行為の力強さや、心にしみる展開と言うより、センセーショナルを狙ったハリウッド映画らしさが感じられました。
by hana2018 (2018-02-26 00:26) 

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