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●映画『ジャングル・ブック』の「CG満載映像」はよかったが、『エクソダス 神と王』は失敗していたというお話。 [「言葉」による革命]

●映画『ジャングル・ブック』の「CG満載映像」はよかったが、『エクソダス 神と王』は失敗していたというお話。

末尾ルコ「映画の話題で知性と感性を鍛えるレッスン」

「CG満載映画」についてもう少しお話を進めれば、「CGがとても残念だった作品」の筆頭として頭に浮かぶのが、リドリー・スコット監督の『エクソダス 神と王』だ。
「とても残念だった」というのは「とても期待していて」という意味を含んでおり、『ワイルド・スピード』や『トランスフォーマー』には何も期待していないので「残念」とも感じないのだけれど、『グラディエーター』で見事に本物の肉体とCGをコラボして生かし切ったリドリー・スコットの史劇なので大いに期待したのだが、見せ場のシーンになればなるほどCGが空回りしてしまい、特にクライマックスの断崖における追跡シーンは作品の中にまったく入れなくなるほど空虚な映像となってしまっていた。

『ゼロ・グラビティ』に関していえば、上映時間の間中心に映し出され続けるサンドラ・ブロックのリアルな肉体と顔が完璧なまでに共鳴し合い、増幅していたのであり、主人公が少年である『ジャングル・ブック』はそういうわけにはいかないのだけれど、多くの「現実の動物たち」を敢えてCGで再現することで、わたしたちの精神の底にある野生に対するノスタルジーを擽ってくれる効果を有する出来となっている。

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