●高橋惠子と夏目雅子の共通点に気づきながら、『鬼龍院花子の生涯』から南野陽子『寒椿』へと行きついた宮尾登美子原作映画について『スケバン刑事』♪

●高橋惠子と夏目雅子の共通点に気づきながら、『鬼龍院花子の生涯』から南野陽子『寒椿』へと行きついた宮尾登美子原作映画について『スケバン刑事』♪

末尾ルコ「映画の話題で、知性と感性を鍛えるレッスン」

高橋惠子について書いていて、（これは奇遇だ）と思ったのが、『高校生ブルース』の撮影監督が喜多崎晃だと知った時だ。
なぜか？
喜多崎晃は『ガメラ対大魔獣ジャイガー』の撮影もしているではないか！
なんてことは、映画サイトの解説に書いてあったから知っただけだけれど、最近『ガメラ対大魔獣ジャイガー』について書いたばかりなので、勝手に個人的に「奇遇」だと感じた次第である。
『高校生ブルース』も『ガメラ対大魔獣ジャイガー』も大映だから別に不思議でもない、というのも後から気づいたことだが。
大人になって一度『ガメラ対大魔獣ジャイガー』を観直したことがあるが、ぜんぜん怖くなかった（笑）。
まあ、大人になって『ガメラ対大魔獣ジャイガー』でビビってちゃまずいけれど。

BS朝日の『ザ・インタヴュー』で、若き日の高橋惠子（関根恵子）の映像もいろいろ観ることができたけど、持って生まれた「風格」があります。
そしてスケールが大きい。
これは夏目雅子にも共通する女優としてのクオリティだと思うが、「スケール感のある美貌と風格」・・・今の３０代、２０代の女優でそういう人はいないのである。
高橋惠子や夏目雅子と比べれば、と言うか、比べるのは申し訳ないけれどついつい比べると、尾野真知子や真木よう子がいかにもショボく見えるし、宮崎あおい、蒼井優、満島ひかり・・・ううむ、という感じである。
今や邦画界のトップである安藤サクラも、「異能派」という風情だ。
もちろんわたしは、安藤サクラらのファンではあるけれど。

高橋惠子や夏目雅子は既に邦画が斜陽になった後に活躍した女優であり、二人はテレビドラマにもよく出ているけれど、映画でも強烈な印象を残している。
夏目雅子はご存知の通り、『鬼龍院花子の生涯』でキメ台詞の「なめたらいかんぜよ！」を全国に浸透させたわけだが、「高知を舞台とした映画」としては、わたしはこの作品が最も好きである。
『鬼龍院花子の生涯』の原作である宮尾登美子は、わたしの母の「親戚だった」人であるが、わたしは面識がなく、実は宮尾登美子の小説も好みではない。
ただ、映画として『鬼龍院花子の生涯』はとてもおもしろく観られるエンターテイメント作品として出来上がっており、夏目雅子の圧倒的魅力、そして仲代達矢の「土佐の男」ぶりも堂に入ったもので、何度観ても愉しめるのである。

『鬼龍院花子の生涯』の後に作られた宮尾登美子物映画もなかなかよかったが、南野陽子主演で『寒椿』を制作した頃には「末期感」が漂っていた。
夏目雅子で始まったものが、南野陽子になったのではね・・・。
南野陽子の代表作は、『スケバン刑事』に止めを刺すし。

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コメント 2

夏目雅子のデビューは、小達雅子時代に宍戸錠と花王愛のサスペンス劇場「愛が見えますか」という帯ドラに出たのですが、目の見えない役だったのです。当時はビデオがなかったので全話見ることはできませんでしたが、学校が早く終る時は速攻で帰ってみていました。
それまでそのシリーズは、島かおりとか加賀まりことか日色ともえとか、すでに名前が売れているヒロインのドラマが続いたので、デビュー作というのはたぶん初めてのことで、相当期待されているんだなと思いました。
それが、ドラマ終了後、次の仕事がなかなか決まらなくて、あれ、一発で消えるのかと思っていたら、夏目雅子のクッキーフェイスで出てきたのでまたびっくり。
何だもう役者やめるのかと思ったら、今度は西遊記で玄奘三蔵を演じるというのでまたまたびっくり。

私が思うに、夏目雅子はスタッフが上手に育てたのかなと思います。
盲目の役としての抜擢は、注目はされるし、演技もむずかしいからいい経験ではありますが、あまりそこばかり注目されると、そういう役しか来なくなってしまいます。
「愛が見えますか」とクッキーフェイスの間がどうして少しブランクがあるか真相はわかりませんが、
少し期間をおいてから、全く別のキャラクターであるクッキーフェイスで再登場したのはよかったですね。
たぶん、「愛が見えますか」のヒロインでを演じたことで、いろいろ仕事は来たと思うのです。
でもタボハゼのように見境なく食らいつくのではなく、本人はこんな太陽のような明るいキャラでもあるのです、ということを示せる仕事として、クッキーフェイスを選んだと私は思っています。

昔、真木洋子というNHK連続テレビ小説「藍より青く」に抜擢された女優がいましたが、ドラマとしての価値は花王愛のサスペンス劇場などよりもずっと上です。
にもかかわらず、彼女は第二作目の仕事を間違えて、クッキーフェイスのような健康的なものではなく、体を売り物にする役を演じてしまい、以来、そういう仕事しか来ない女優になってしまったのです。
抜擢されるのは、大変幸運な第一歩だとは思うのですが、大事なのはその次どうするかということでしょうね。

スケバン刑事は、テレビっ子の私にしては珍しく斉藤由貴しか見ていません。
ただ雑誌のBOMBで、真ん中のページに観音開きになっている南野陽子のポスターがついていて、そーっと中綴じのホチキスを外して、ポスターを部屋に貼っていたことがあります。
数多いアイドルの中で、私の好みでは上位に位置していたのでしょうね。
by いっぷく (2017-11-03 02:43) 

宮尾登美子自身が高知の遊郭で女衒業をする家に生まれて何不自由ない日々を送るものの、両親の離婚により義母に育てられる。･･･の辺りは、作品「櫂」に描かれた内容。
自分自身の体験と見聞きした内容とを合わせて創作された作品が、「鬼龍院花子の生涯」かと思います。
家業を嫌っての結婚。夫婦して渡満、そして敗戦のため夫の実家がある高知へ引き揚げ後は、農業に従事するようになる。
満洲体験と高知で農家の嫁として辛酸をなめた自らの体験。身を削るようにして書きあげた･･･「朱夏」「陽暉楼」等の自伝ものに生々しさと迫力を感じつつ読んだのを思い出しました。
尾野真知子や真木よう子はいかにもショボいです。宮崎あおい、蒼井優、満島ひかりも･･･ハッキリ言って、女優としての華、品性の良さも感じられません。

by hana2017 (2017-11-05 17:55)