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映画「愛を読むひと」と原作「朗読者」のエロティシズムの相違 [高貴な感覚 エロティシズム]

「愛を読むひと」はエロティシズムという観点からも語られているので、原作の「朗読者」と比較しながら少しそれについて考えてみたい。

まず主人公となるハンナはドイツで電車の車掌をして働いている。
当時ドイツでどのくらいの女性がそのような職業に就いていたのかは知らないが、電車の中で働くという性格上、にいわゆる「フェミニンな」体型では務まらないということは想像がつく。
さらに欧米社会の中でも比較的ドイツ女性は恰幅がいいことで知られている。
原作の中でがそのような特徴が強調されることはなく、読者は断片的な情報の中から「自分のハンナ」を組み立てることができる。
つまり小説が気に入れば、「ハンナの姿」も自分の好みの女性像を中心として心の中で創造できるわけだ。
ところが映画では観客はいきなり、美しいがかなりキツめの容姿をしているケイト・ウィンスレットを目の当たりにする。
ここで乗れるかどうかでエロスを感じるかどうかがかなり決まる。

エロティシズムについて客観的に語ることも可能だが、
やはり「個人的嗜好」あるいは「文化的背景」に大きく左右されるというのも否めない。

で、思うのだが、多くの日本人は「愛を読むひと」のケイト・ウィンスレットをエロティックだと感じないだろう。

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