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小説 熱帯魚のハート・その喜劇と悲劇 9 [小説 熱帯魚のハート・その喜劇と悲劇]

熱帯魚・・の話ではないけれど。
かなりの湿気の中、ぼくは小さな路地を歩いていた。
路地の縁には側溝がある。
汚い汚い水が流れる側溝だ。
けれど始めて気づいた。
細長い魚がいる。
黒っぽい背を見せて、何匹も動いている。
こんな汚い水の中で、どうしてこんなに元気なのだろう。
それともこいつらは、
「おれたちは不幸だ。けれどこれを変えることはできないのか」と神に問うているのか。
まるでヨブのように。
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