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追い詰められる色気、ジョーン・フォンテイン [高貴な感覚 エロティシズム]

「白黒映画は観ない」とか「無声映画は観ない」とか言う人がいるが、もったいないなんてものじゃない。
本当の恐怖や本当の美が白黒映画には充満しているから、観る習慣を少しずつでもつけるべきだ。

主に1940年代に活躍した女優にジョーン・フォンテインがいる。
アカデミー主演女優賞をとったことのある映画史屈指の大女優だが、実は日本的エロティシズムに満ちた女優でもある。
どちらかと言えば小柄で、顔立ちはノーブルで美しいが、ノーブルになりすぎない庶民性も兼ね備えている。
唇は適度な厚さを保ち、快活に笑う顔よりも憂いに満ちた表情が似合う。
思えばこれだけ日本的なハリウッド女優はあまりいない。
例えばイングリッド・バーグマンやグリア・ガーソンが畳の間にいたらかなり不自然だろうが、ジョーン・フォンテインなら違和感なく畳の間にいることができるだろう。

そんなジョーン・フォンテインが心理的に追い詰められるのがヒッチコックの「レベッカ」と「断崖」である。
ヒッチコックは美女を追い詰めるのを得意としたが、ジョーン・フォンテインこそ追い詰められることが真に迫った女優もいない。
つまり彼女は、多くの日本人女優よりも日本的Mの世界を表現できたということだ。

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