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「空とぶ謎のカキ」その16  [小説・孤独なカキの物語]

カキの世界も人間の世界も7月を迎えた。
2012年の7月だ。
人間には人間の歴史があり、カキにはカキの歴史がある。
その二つは交差している部分もあればまったく交わらない部分もある。

2012年7月4日朝。
カキは「日刊びっくりカキ新聞」を読みながらあさりの味噌汁をちびりちびりと味わっていた。

「いい時間ねねえ~」

窓の外を見るとまだ梅雨明けぬまでもカラリと晴れた空を雀の大群が泳いでいる。

こんな時、
カキは詩をしたためたくなるのだ。
カキはネオロマンロココ調のテーブルに置いてあった不死鳥の羽付きペンを取る。




タグ:アート カキ
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