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〈「言葉」による革命〉・・・●末尾ルコ「映画俳優演技論」~『あん』の永瀬正敏は「高倉健」的でさえあるか?2017年6月2日 [「言葉」による革命]

●末尾ルコ「映画俳優演技論」~『あん』の永瀬正敏は「高倉健」的でさえあるか?

俳優の吉田鋼太郎が嵐の番組の中で、それは高倉健が亡くなって間もない時期だったけれど、「これからは高倉健さんみたいな、何もしなくてもいい俳優は出てこないと思うんだよね」と語ったのを聞き、強い違和感を持ったことは以前書いた。
なぜ吉田鋼太郎が、しかも嵐のバラエティ番組の中で、「高倉健」について言及せねばならないのか。
しかもそもそも「俳優」といっても、吉田鋼太郎は「演劇」そして近年はテレビドラマへの出演が増えており、要するに演劇的演技あるいは「大芝居」を要求される役が多い。
それはそれでけっこうだが、吉田鋼太郎には映画出演歴はほとんどなく、高倉健は映画俳優であり、つまり吉田鋼太郎とは「俳優」といってもまったく違う世界にいたわけで、その事実を理解していたのだろうか。

映画で「大芝居」が求められないわけではないが、同時に常に「まるでほとんど演技をした内容な演技」が映画的演技であることも事実であり、そこに映画の醍醐味もある。

といったことを、河瀨直美監督の『あん』を鑑賞しながらあらためて強く再認識した。
現代日本のまぎれもない「映画俳優」の一人である永瀬正敏の存在が素晴らしく、それこそ高倉健を彷彿さえさせてくれた。

『あん』の永瀬正敏。
ぜひご覧ください。


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caveruna

あぁ~また見たくなっちゃった!
by caveruna (2017-06-02 13:36) 

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