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●MMA女子ストロー級、ティファニーも吃驚か?魅力的なローズ・ナマユナス、そしてあの日のバット吉永VS神風杏子。 [「言葉」による革命]

●MMA女子ストロー級、ティファニーも吃驚か?魅力的なローズ・ナマユナス、そしてあの日のバット吉永VS神風杏子。

末尾ルコ「プロレスと格闘技の話題で、知性と感性を鍛えるレッスン」

MMA史上最高のスーパースターだったロンダ・ラウジーが実質的に引退した今、同規模のスターが今後現れる可能性はまずあり得ず、それは日本に力道山や長嶋茂雄がもう現れないのとかなり似た意味なのだ。
もっともロンダ・ラウジーのとてつもないスターぶりは世界規模だったわけで(近年、「世界規模」の話題に日本は入ってないことが多いが)、その点は「ほぼ日本だけ」のスターだった力道山や長嶋とはまったくスケールは違う。
ロンダ・ラウジー並みのスーパースターを靄は期待してはいけないとはいえ、女子MMAの人気は既にかなり定着しており、その中でもスター的存在の一人がストロー級のローズ・ナマユナスだ。
UFC on FOX 24でも、これまた「美人格闘家」として知られるミシェル・ウオーターソンと対戦し、リアネイキッドチョークで一本負ちを収めたが、その前に決定的ダメージを与えた死角からのハイキックも鮮烈で、そもそも短く髪を刈り込んで戦いに挑む顔も雰囲気もアート系の女優然としており、腕も脚も長く、ティファニーの広告に登場しても何ら不思議はないローズ・ナマユナスだ。
などということを考えていてふと思い出したのが、全日本女子プロレスのリングで行われたバット吉永VS神風杏子の試合だ。
バット吉永はもちろん全女のレスラーで、中堅といったポジションだった。
神風杏子はシュートボクシングあるいはキックボクシングで実績を積んでいるという触れ込みで、1992年に行われたこの試合は「異種格闘技戦」スタイルではなく、キックルールが採用された。
プロレスのリングで行われる「他格闘技」との試合は多くが「プロレス」であるけれど、バット吉永VS神風杏子はどう見ても、「キックルールの試合」だった。
こんな試合が何気なくカードに入っていたのが当時の全女の凄さだと思うが、試合展開がまた凄かった。
「キックボクシングの専門家」である神風杏子が繰り出す打撃が、首が短く重心の安定したウエートのある体形のバット吉永になかなか効かず、頻繁に繰り出すバックブロー(裏拳)も有効打とならない。
バットの打撃も「上手い」とは言えないが、常に前へ出て神風にプレッシャーをかける。
そして2R、バットの速く、しかも重いバックブローが神風の側頭部を捉える。
斜め向きに崩れていく神風。
結局そのまま立ち上がることはできず、プロレスラー バット吉永のKO勝ちとなった。

現在のように、本格的な女子格闘技の世界ができていなかった1990年代、全日本プロレスのメンバーは、「格闘技的」に見ても、高い能力を誇っていたのだと、今でもわたしは見做している。

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いっぷく

そういえばありました、WWWA世界格闘技王座。
長谷川咲恵や伊藤薫の陰に隠れてしまった吉永用に割り振られたタイトルぐらいにしか思ってなかったのですが、バット吉永の地力は本物だったんですね。試合も松永一族がちゃんとセコンドに付いていますね。
全女の中継が夜中にあった時、合宿のシーンが出てきて、吉永がブル中野にベソかかされたシーンがあって、次に山田敏代がかっこよく蹴りを決めているシーンが映ったので、その時点で吉永は大したことないレスラーなのかという先入観を植え付けられてしまいました。フジテレビは山田の引き立て役にしたかったみたいですが、ブル中野がそこまで本気で指導するということは、それだけ期待されていたということだったんでしょうね。
しかし、ではそこで全女は、吉永やWWWA世界格闘技王座に、誰を絡ませていきたかったのか、「格闘技」とはどういうルールで選手権を開催したかったのか、そのへんがはっきりしないまま自然消滅してしまった感がありますね。
吉永はケガして引退したということだと思うのですが、そうでなくても、90年代の前半に、吉永を売り出すプランはあったのか。当時誰と誰の対決が話題だったのか、北斗晶が目立ってた事以外忘れつつありますが、吉永がどうだったのかを振り返ってみたくなりましたね。

by いっぷく (2017-06-11 01:12) 

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