●ハリウッドプロデューサー ハービー・ワインスティーンの「セクハラ」問題と日常の中の「セクハラ」問題、そしてフェミニズム。

●ハリウッドプロデューサー　ハービー・ワインスティーンの「セクハラ」問題と日常の中の「セクハラ」問題、そしてフェミニズム。

末尾ルコ「社会問題の話題で、知性と感性を鍛えるレッスン」

日本ではさほど報道されていないけれど、欧米で話題持ちきりだったのが、「超大物ハリウッドプロデューサー、長年に渡り有名女優らにセクハラ」というニュースだ。
このプロデューサーの名は、ハービー・ワインスティーン（65）であって、アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーは既に除名を決定し、映画界からは実質上追放された形になっている。
しかしエマ・トンプソンがこの件を「氷山の一角」と語っているように、ハリウッドにおけるセクハラやそれに類する行為は海底の山脈のように存在しながらも、まだまだ表沙汰になってないものだと思われる。
さらに言えば、このような問題がハリウッドのみであるはずはなく、ある意味、「世界で最も目立つ世界」であるハリウッドだからこそこれだけ世界的な騒ぎになっているのであるけれど世界中津々浦々にまでまだまだ「愚劣な男たちに人間性を傷つけられながらも泣き寝入りせざるを得ない女性たち」が無数にいるわけである。
このようなことを書くと、「男が女にセクハラを受けることもあるじゃないか」と言い出す人もいるわけだけだが、セクハラないし性犯罪において、女性が男性の被害者となる場合が圧倒的に多いという事実があるわけだから、問題の中心が「女性が被害者になった場合」であるのは当然だろう。

ハービー・ワインスティーンが行ったセクハラには、「性行為を強要」なども含まれている。

『BBC　NEWS　JAPAN』によれば、

アンジェリーナ・ジョリーは、

〈映画「マイ・ハート・マイ・ラブ」公開の際にホテルで関係を迫られ拒否した〉

グイネス・パルトロウ

〈映画「エマ」の主役に選ばれた後、ホテルの部屋に呼ばれ、体を触られ、寝室でマッサージしてもらいたいと迫られた〉

他にも多くの「被害の声」が発せられているが、日本社会にも間違いなく無数の「泣き寝入りせざるを得ない被害者」が存在しているはずだ。

「性行為の強要」などまでに至らなくても、「言葉によるセクハラ」も、特に地方社会では「当然のこと」のように日常的だ。
「言葉による」ものは、「どこからセクハラか」という難しい問題があるし、「同じ言葉」であっても、「人によって感じ方が違う」ことも事実である。
しかし「人によって感じ方が違う」ことに甘えられる時代では最早ないというのがわたしの考えだが、しかしここにも大きな問題があり、ことは単純ではない。

例えば極端なフェミニズム思想においては、「女性を性の対象として見る」こと自体を「セクハラ」ないし「犯罪的」と断ずることがあるけれど、男女が互いを多かれ少なかれ「性の対象」として見るのは人間として当然のことであり、その「発現」にどのようなブレーキをかけるかの塩梅が難しいのである。
あるいは、女性の服飾史のほとんどを、「男に奉仕するために強制されたもの」とか言い出すと、そりゃあ一般女性にさえまずは支持されないよという世界である。

この問題を短い文章で語りつくせるわけもないのでひとまずここまでにするが、ハービー・ワインスティーンのようなケースはもちろん厳しく断罪すべきであり、日々の生活の中、「言葉のセクハラ」であっても心から苦しんでいる女性（時に男性）たちが周囲に存在すれば、その「苦しみ」から脱することができるような方法を考え、実行していくべきである。（その具体的方法については、また適宜提起していきます）

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コメント 2

昔、テンプスタッフという人材派遣会社の創業者の女社長にインタビューしたことがあるのですが、多少はお世辞も含めて、「美貌」とか「美しさ」といった言葉を文章に散りばめたところ、原稿チェックで全部消されました。
「え、ブスって言ってるわけじゃなくて美人と言ってるのに」と、当時はちと納得行かなかったところもあったのですが。女性の派遣社員のトップとしての女社長が、女を売り物にするような書き方はよろしくない、ということだったようです。
それは大変勉強になったのですが、以来私は、女性を褒めるときにも、容姿に言及する時はプレッシャーを感じるようになりました。
これがまた別の職業や、考え方だったら、褒め言葉としてウエルカムということになっていたかもしれません。むずかしいところですね。
プロデューサーが女優に、というと、それはパワハラですね。生殺与奪を握る側がその誤りを犯すわけですが、「東京ラブストーリー」の鈴木保奈美のように、プロデューサーが「保奈美を愛した」と関係を隠していない場合はどう思われますか。
合意というか、保奈美も納得してわけですが、もしくは保奈美からアプローチしたのかもしれませんが、でもプロデューサーという職権を利用した行為ではあるわけですよね。会社でも社内恋愛をキンジているところがあるように、職業的な利害関係がある場合は合意でもだめ、という風に紋切り型になってしまってもやっていかないとという気もします。
セクハラやパワハラとは違いますが、キーハンターの千葉真一と野際陽子とか、アイフル大作戦の谷隼人と松岡きっこなどは、カップルになったことで両方共番組から降ろされましたね。松岡きっこはまだ若くて芸能界で仕事ができる人で、谷隼人には妻がいたのですが、それでも2人は関係をやめようとせず、結局谷隼人は離婚して松岡きっこと結婚しました。
大学の教授と女子学生にもパワハラはよく聞きますね。
言うことを聞かないと大学院に進ませないとか、論文を通さないとか。その中には、いつしか合意となって結婚することもあるようですが、まあそれは結果としてそうなったというだけのことですから。

>佇まいとか、ファイトスタイルとか、かなり「陰」に傾いたそのキャラクターとか、今の「会社のプラン通り」に動くプロレスラーたちと違い、とても「人間」が発散されていた気がします。

国際プロレスから新日本に行くときも、「藤波と闘いたい」ではなく、国際の報酬では兄弟を養えないからということでしたし、全日本が契約打ち切りになって、オリエンタルプロレスなる生業をもった兼業レスラーの団体を作ったときも、若手の金をくすねていたとか、老婆の金をひったくって逮捕されたとか、プロレスラーの多くが経済的に恵まれていないことは聞きますが、みんな格好つけて苦しくても苦しいことを見せないのに、この人は事情を隠さなかったですね。
思えば国際プロレスの人は、アニマル浜口を除くと「陰」に傾いていました。
プロレスマニアが国際プロレスをいまだに忘れないのは、そのへんに惹かれるからかもしれません。
by いっぷく (2017-10-19 02:45) 

ハリウッドの映画プロデューサーの「セクハラ」問題は、表面化していないだけでこれまでも様々なところであった事でしょうし、それは日本の映画、テレビの世界では日常化とまでは言いませんけれど、立場やお金にものを言わせた「セクハラ」問題は限りなくあると思っておりました。
日本人よりも意思をはっきり表す、ハリウッド女優達でも公に出来ずにいたところに問題の根強さが感じられます。
一般社会に目を移した場合、相手の言動をセクハラと感じるのは、その相手次第。
好ましく思う人だったら嬉しいけれど、なんでもない人だとゾッとする。その辺りの線引き、空気の読めない男性が結構いる事は否めません。
ところでアンジェリーナ・ジョリー、カッコイイ女優の代名詞のような時期があったものの、乳がんの恐れがあるだけで身体にメスを入れたり、第二次大戦中の日本軍の蛮行を描いた訳のわからない映画を撮ったりと･･･話題作りに躍起となっているようで、近頃の彼女は見苦しく感じられてなりません。


by hana2017 (2017-10-19 16:19)