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●馬場、でかい、でかい、でかい!「シュミット式バックブリーカー」の創始者ハンス・シュミットとの試合をチェック。 [「言葉」による革命]

●馬場、でかい、でかい、でかい!「シュミット式バックブリーカー」の創始者ハンス・シュミットとの試合をチェック。

末尾ルコ「プロレスの話題で、知性と感性を鍛えるレッスン」

ハンス・シュミットと言えば、「シュミット式バックブリーカー」の創始者とされ、日本では「地獄の料理人」のニックネームで知られていた。と。
しかしわたしのイマジネーションの中のハンス・シュミットは、ほとんどゴージャス・ジョージとか、そのあたりのレスラーが活躍していた頃と同時代のクラシカルなプロレスラーであり続けていたのだが、最近調べてみると、案外そうでもなくて、日本マットにもけっこう登場していたのですね。
などと書きながら、(しかしいきなり「ハンス・シュミット」って、この2018年にそんなことでいいのか・・・?)という疑問も持たないこともないが、(まあいいや、昨日は「日本映画の現状」について書いたし)と自分を納得させるわたしです(←山田姉妹「みずいろの手紙」風に)。

ハンス・シュミットを「古いレスラー」と思い込んでいたのは、「シュミット式バックブリーカーの創始者」の「創始者」の部分にすごくクラシカルなイメージを持っていたからなのだろう。
そしてわたし自身、ハンス・シュミットの試合を観たことなかったのももちろん影響している。
しかしそこはYouTube、ハンス・シュミットの映像も数多く出てくるのですな。
まあそれだけ、米国でも売れっ子だったというわけなのだろう。
で、そんなハンス・シュミット関連動画の中から選んだのが、「ハンス・シュミットVSジャイアント馬場」。
 ↓
「Hans Schmidt vs Shohei "Giant" Baba 2/14 1964 Buffalo professional wrestling(
https://www.youtube.com/watch?v=fN0u6aS6Yn0)」

これしかし、まず驚かされるのが、

(馬場、でけえ!!!)である。

ハンス・シュミットも「193cm」とされる巨体のレスラーなのだが、もうなんか、馬場の方が「遥かにでかい」のだ。
これは、リングに立つだけで金取れるわ・・・の世界である。
しかもこの当時の馬場、「脚が太く逞しい」し、晩年「細過ぎる」とギャグのネタにさえなった腕にもかなりの筋肉が覗える。

この試合、結果的にはハンス・シュミットの「ドロップキック連発」によって、馬場の負けとなるのだけれど、本気でやったら絶対馬場が勝ちそう、しかもいきなり「ぶっ飛ばして終わり」という感じで。

それにしてもこの「でかさ」。
ハンス・シュミット自体大きなレスラーであることに加え、それを遥かに上回る馬場のでかさ。
比べて、現在の日本プロレス界の小柄なこと。
その分、「飛んだり、跳ねたり」ができるのだろうけど、やはり物足りない。
新日本プロレスの場合、「でかいレスラー要員」としてバッドラック・ファレを置いているのだろうけど、プロレスできないですからね、この人。
比較の対象でさえないが、馬場は「でかい」だけでなく、プロレスにも非常に長けた選手だった。

ところでこの試合、ハンス・シュミットは何度となく「クロウ攻撃」を見せるのだが、これもわたしにとって意外なことだった。
と言うか、「ドイツ・ギミック」のレスラーたちにとって、「クロウ攻撃」は定番だったのか。

「技とイメージ」・・・この探求もまた興味深い。

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いっぷく

1964年2月ということは、グレート東郷からン億円の契約金で引き止められていた頃ですね。たしかアメリカで売れていた頃は、大阪出身で大リーグからスカウトが来る野球選手で、格闘技も無敵というような宣伝がされていたはずですが、もうこのときはそういうギミックは必要ないようで、トーキョージャパンと紹介されていますね。それにしてもプロレスって面白いですよね。そういう宣伝で通ってしまうのですから。
で、結構この頃は、ハンス・シュミットもそうですが、馬場は名前のあるレスラーにずいぶんセールして白星を献上していますね。でもたぶん、稼ぎは馬場が多いのだと思います。
プロレスという「仕事」の奥の深いところですね。いかに相手の価値を高めて負けるか、とくに名前のあるレスラーに、あの大男の馬場に勝ったんだからさすがだと客に思われるように負けることで高い報酬を得るんですね。
そして相手にも喜ばれる。バディ・ロジャースが馬場を自分のグループに入れて、非公式ですが1回はNWAのベルトを巻かせたのも、そのロジャースをリンチしたミスターXやカール・ゴッチが、「仲間」の馬場のことは狙わなかったのも、きっと自分の価値を高めてくれる大事な相手だという評価があったんでしょうね。
『プロレスリングの聖域』にある、元東スポ米国通信員のマイク青木のインタビューによると、MSGでは、猪木に比べて、馬場のほうが試合を沸かせたそうです。それは、体が大きい、殴る蹴る飛ぶといったシンプルな動きがウケたからで、馬場が絵になったそうです。マンモス鈴木のように、体が大きくてキャラが立っていても成功しなかったレスラーもいますから、馬場もただでかいだけではなく、プロレス頭もあって身体能力も高かったんでしょうね。元野球選手ですから身体能力はあるのでしょうが。
ただ猪木は、アメリカと日本の違いはもちろんわかっていて、それがわからなかったのが坂口征二だそうです。坂口は日本のようなシリアスできつい攻撃をするので、試合に出てくると楽しい試合運びが消えて、観客がシーンとなるそうです。
ストロング小林もインタビューで言ってますが、普通タッグマッチは、自分がやられて、観客のハラハラをエスカレートさせてからパートナーにタッチして、パートナーが怒涛の攻撃を行って観客がヒートアップするのに、坂口は相手をやっつけてからタッチするので、自分の見せ場をつくれなくて困ったそうです。
坂口征二は、日本プロレス時代、ずいぶん長い間アメリカで修行したはずですが、結局柔道家のままでプロレスラーにはなりきれなかったのかもしれませんね。

by いっぷく (2018-03-09 02:25) 

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