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●ステージングパフォーマンスも含めれば、「美空ひばり以上」の一人、田川寿美が日本人にさほど知られてないという状況について。 [「言葉」による革命]

●ステージングパフォーマンスも含めれば、「美空ひばり以上」の一人、田川寿美が日本人にさほど知られてないという状況について。

末尾ルコ「音楽の話題で、知性と感性を鍛えるレッスン」

父は音楽に疎かった。
しかし歌謡曲の一部については、テレビで歌っている分には好んで聴き、自分でもよく歌っていた。
日教組組合員で反体制を気取っていたわりには割には(笑)、軍歌やゼロ戦が大好きだったし、田端義夫らを文句なしに好んでいた。
わたしが子ども時代の歌手としては、森進一、八代亜紀、都はるみなどを好み、よく歌っていた。
父は音楽や歌について纏まった知識や見識はまったくなかったのだが、それでも自分なりのセオリー的なものを持っていた。
そのセオリーに反するものに対しては、「こんなん、歌やない」と一刀両断に否定するのだった。
父のセオリーとは、「歌手は歌っている時にすべきではない」「歌手は華美な衣装などを身に付けるべきではない」などであって、長男であるわたしも小学低学年くらいまではその説を丸のまま信じていたものである。

などという話を始めたのは、このところ一部女性演歌歌手のステージングパフォーマンスに、(これぞ、芸術!)と呆気に取られて見惚れてしまうものがあるからだ。
日本歌謡史上、「女王」と言えば、「美空ひばり」であり、今後もその位置づけを脅かせる存在はなかなか現れそうにないということは、時代性も考慮すれば致し方ないところではある。
それは日本野球で「長嶋茂雄」以上のスターが現れることはないだろうというのと同じことである。

ただ、ステージングパフォーマンスを含めたら、かつての美空ひばりがとてもではないが及びもつかない境地に至っている女性演歌歌手が存在し、しかし彼女たちの圧倒的クオリティのパフォーマンスは必ずしも正当に評価されてないし、多くの日本人は知らずにいるという状況がある。

その女性歌手たちとは、

坂本冬美
藤あや子
そして
田川寿美の3人だ。

坂本冬美と藤あや子のステージングパフォーマンスについてはこれまでも書いている。
田川寿美はこの2人ほどのスペクタクル性はないけれど、身体のポジション、指先まで神経の行き届いた流れるような所作は、観れば観るほど魅了される。
しかも田川寿美の発声技術の中には普通の演歌歌手とはかけ離れた声楽的なものも含まれており、さらに声を出す際に緊張感と悲壮感溢れる表情になるの姿にもいつも観惚れてしまうのだ。

田川寿美は40代前半で、「歌謡曲の時代」が過ぎ去ってからの演歌歌手である。
「歌謡曲の時代」にかろうじて重なっていたのは、坂本冬美や藤あや子の50代から上だろう。
だから田川寿美など、下の世代はどうしても人口に膾炙してないという状況だ。
が、これだけ素晴らしい歌手、少しでも多くの人に知っていただきたいのである。

田川寿美 お薦め動画

「TAi169 哀愁酒場③ 田川寿美 (2016)161106 vL HD
https://www.youtube.com/watch?v=eeTGnerO970)」←膝の曲げ具合、体重移動に注目。

「BKTAiZ81 みだれ髪④ 田川寿美 180304 vL HD(https://www.youtube.com/watch?v=MaEkA5oFoUY)」←ドラマティックな表現、表情に注目。


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いっぷく

田川寿美の動画はYoutubeで絶賛されていますね。オリジナル歌手がいる歌というのはなかなか評価してもらうのがむずかしいのですが、最後の「しないでおくれ」のところは、美空ひばりオマージュかと思える表情です。
藤あや子は、いかにも“いろいろあった”という佇まいですが、田川寿美はそういう重さがそれほど出ていないところがとっつきやすいですね。結婚生活がうまくいかなかったのは、相手がパトロンという位置づけだったのかな。ただ、それにしては子どもがいるようで、むしろパトロンと割り切れなかったところが離婚につながったのかもしれません。プライバシーなので詮索しても不毛ですが。
昔、私が演奏家と交際があったとき、あ、これは以前お話した芸大院出身のクラリネット奏者でなく、別人のピアノ奏者なんですが(笑)うまくいかなくなったとき、向こうが捨て台詞で、「私たちはカネがかかるけど、どうせあんたは支えられないでしょう。私たちにとって結婚相手はパトロンなのよ」というようなことを言われました。プライドが高い人だったので、フラれる前にフル、という感じで先手を打ってそういうことを言ってきたんでが、言っている中身は本当なんだろうなと思いました。
全く無関係ない話で恐縮ですが、ネットで長い間密かに人気があるのが、以前テレビ番組が、大阪にあった難波安組という直参組織を取材した動画です。そこでの893幹部のセリフがネットでは地味に流行しているのですが、若頭が「ヤラれる前にヤル。そういう主義ですわ」と話していて、それがネットではウケていて、それを見たとき、ついそのピアニストのことを思い出してしまいました。
アメブロでは、膝下が見えるスカートを履いた洋服姿も披露していますね。子どもがいて40歳過ぎて膝下を披露するのは、肉体、なかんずくふくらはぎという、微妙な部位に自信があるのだと思います。その一方で、「心化粧」のヒット祈願では、「誰もが口ずさめて手拍子ができる。歌手生活26年目にすてきな曲をもらったと思う。育児や仕事に頑張っている女性が口には出せないけどというときに歌ってほしい」(『東京スポーツ』2017年06月29日付)と、「主婦」の顔も見せていますね。堀越出身だけに、40歳過ぎてもアイドル的な振る舞いも残している、というか貫いているのかもしれませんね。
by いっぷく (2018-04-03 04:52) 

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