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●試合内容も、新日プロレスよりWWEが上?アスカ(Asuka)の試合から検証を試みる。 [「言葉」による革命]

●試合内容も、新日プロレスよりWWEが上?アスカ(Asuka)の試合から検証を試みる。

末尾ルコ「プロレスの話題で、知性と感性を鍛えるレッスン」

4月のWWE「レッスルマニア34」では中邑真輔がAJスタイルズとタイトルマッチを行うことが日本のプロレスファンに話題になっていたが、日本人女子レスラーも同イベントのタイトルマッチに絡んでいる。
それが、

WWE スマックダウン女子王座選手権試合
シャーロット・フレアー(王者) VS アスカ
(挑戦者)であり、

日本人はアスカ(Asuka)の方である。

「レッスルマニア34」ではもう一試合、女子レスラーのタイトルマッチがあり、WWEは追ってなかったのでそうしたことはもちろん、アスカでさえも最近知ったくらいのものだが、(へえ、おもしろそうだな)と思わなくもない。
ちなみに同イベントには元UEC女子バンタム級チャンピオン ロンダ・ラウジーも登場している。

ただ、わたしの中でのイメージは、いかに過去の新日と違うとはいえ、ほとんどコミック・ショウ化しているWWEよりは試合内容が上だろうというものだった。
が、アスカ関連の動画を観てみると、思いのほかしっかりした説得力のあるプロレスをしているのに驚いた。
例えば、次の試合。

Asuka VS Nia Jax Full Match, RAW 1/15/18 HD(https://www.youtube.com/watch?v=DAdiITXTBpc

アスカは自分よりはるかに大きなNia Jaxというレスラーと対戦し、勝利を収めているのだが、その展開は実にクラシックなプロレス踏まえたもので、しかも現代的にもおもしろい。
これはわたしとしてはちょっとした発見だった。

スポーツ格闘技であれば、普通はウエート制が採用されており、体重差が大きい選手同士の対戦はあり得ないが、プロレスではしょっちゅうである。
その場合、大きなレスラーが一方的に勝つパターンであれば問題ないのだが、小さなレスラーが勝つ場合、よほどうまく展開させない限り、少なくともわたしは鼻白むのである。
では、アスカはVSNia Jaxはどのような展開となり、説得力ある試合となっているのか。

まず、アスカはJaxに対して絶対に力で対抗しようとしない。
それどころか、しょっちゅう吹っ飛ばされている。
では自分よりずっと大きな相手に対抗するには何をすれば説得力が醸成されるのか?

・スピードで攪乱
・顔面など、「鍛えられない箇所」に打撃をヒットさせる
・サブミッションを狙う

そしてアスカはこの試合で、これらすべてを試み、しかも試合展開の中のクオリティは十分に高い。
Jaxの方もプロレスが上手く、巨体を利したクラシックな技だけで試合内容を盛り上げていく。
特にベアハッグでアスカを追い詰めるシーンは、「プロレスの伝統は継承されている」と、けっこう嬉しくなった。

こうした点で、今の新日本プロレスはとても下手だと言うか、ひたすら曲芸的な技を連発し、「プロレスではない出し物」と化している試合が多いのである。

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いっぷく

最近は男のプロレスもほとんど見ないので、女子プロレス新鮮でした。ASUKA、まるくて私好みのカラダですね、いや、これはセクハラですか。ちゃんこと稽古でコツコツカラダを大きくした感じです。試合開始時は山本小鉄対ゴリラ・モンスーンを思い出してしまいました。何をやってもゴリラ・モンスーンには通用しなくて、なんかの間違いで山本小鉄がゴリラ・モンスーンの上に乗っかったら、トルコが速攻でフォールをとって、小鉄は男泣きしていましたが、その展開とは違い中身のある試合でしたね。
でもてっきりフィニッシュは、逆さ押さえ込みとか、返し技かと思いました。
相手は膝を抑えていましたが、膝を押さえるという結末は、それまで何度も蹴っていたことが伏線になっているわけですね。ただ技を無意味に出し合っているのではなく、後につながっている攻撃というのがいいですね。
馬場がロスでキニスキーからインターを奪還した試合も、キニスキーがシュミット流バックブリーカーを放ったときに膝を痛めた仕草をして、馬場がその膝を取って逆方エビ固めで勝っているのですが、そこだけ見ると、キニスキーがわざとらしいのですが、ちゃんとその前に、キニスキーが膝を痛められる伏線があったのです。それを思い出しました。
ただASUKAが蹴ったのは裏側で、見ていてリアルで尻もちが怖かったです。あのカラダでああいう不用意な尻餅をつくと、脳をプヨプヨ浮かせている髄膜が破れて髄液圧減少症になったり、手のひらで受け身を取ると舟状骨骨折をしたりするのですが、そういうリスクがありながら、相手もよく蹴らせましたね。そういう意味で、相手もよかったと思います。
日本の試合は多くはプロセスがアドリブだそうなので、相手を熟知しながら自分で試合を組み立てられる「プロレス頭」のある人でないと、「伏線をはっていくプロレス」は難しいですね。
私が思うに、いつも書いているようにやはり巡業がなく、試合数も昭和時代より減っていることも、それをむずかしくしている理由としてあるのかもしれません。
by いっぷく (2018-04-16 05:01) 

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