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●末尾ルコ 読書法、あるいは読書論~複数の本の同時進行と、「生涯の書」~内館牧子は今でもプロレスファン。 [「言葉」による革命]

●末尾ルコ 読書法、あるいは読書論~複数の本の同時進行と、「生涯の書」~内館牧子は今でもプロレスファン。

末尾ルコ「読書とプロレスの話題で、知性と感性を鍛えるレッスン」

例えばわたしにとって、アルチュール・ランボーやボードレール、フランソワ・ヴィヨンなどの詩人、あるいはギュスターヴ・フローベル、ジェラール・ド・ネルヴァル、ユイスマンスとかまあエミール・ゾラとか三島由紀夫とか、はたまた宮沢賢治とか、一度読んで終わりとかでなく、生涯手元に置いておき、何度も読む、ページを開く、そんな本なのですね、こうした人たちは。
しかしこれら「生涯の書」だけの読書というわけにはいかないので、当然ながらこれら以外の本も大量に読むわけである。
わたしは常に10冊以上の本を手元に置いて(自分の家で、ですよ)、その時々の気分によって読書しているといったお話はこれまでに何度もしているけれど、まあそのようなやり方も、大小様々な改良を加えながらやっておるわけですな。
「10冊上の本を手元に」と言っても、その時々で「特にどの本に集中するか」という点も、いつも検討の対象となります。

で、今「読書中」の本の一部を挙げますと、次の湯ような感じ。

『ユダの山羊』ロバート・B・パーカー
『マシアス・ギリの失脚』池澤夏樹
『居酒屋』エミール・ゾラ
『二十世紀論』福田和也
『フランス流テロとの戦い方』山口昌子
『白鯨』ハーマン・メルヴィル
『日本語全史』沖森卓也
『すばらしき愚民社会』小谷野敦
『プレイバック1980年』村田晃嗣
『人体の限界』山崎昌廣
『マタハリ』マッシモ・グリッランディ
『カネを積まれても使いたくなる日本語』内館牧子

この中で、『居酒屋』は「生涯ずっとページを開き続ける本」の一つ。
『白鯨』ってまだ通して読んだことなかったのですが、こりゃやはり凄い作品です。
これだけの作品、「生涯にずっとページを開き続ける」ことをしなければ、しっかりと理解などできるはずがない。

で、前記のリストでちょっと毛色が変わっているのが内館牧子の『カネを積まれても使いたくなる日本語』だと思うでしょう。
わたしも思います(笑)。

内館牧子は元横綱審議委員会委員としてのイメージが強いけれど、プロレスファンとしても知られていて、『プロレスラー美男子烈伝』という本も出している。
けれどこれちょっとだけ読んだことあるけれど、(う~ん)というところだった。
この本が出版されたのが2002年で、今で言う「プ女子」の走りと言えるか?
最近も内館牧子はプロレスファンであり続けているのかと調べてみたら、やはりそうで、次の記事などがヒットした。

オカダVS棚橋 内館牧子氏「2人とも美しい」https://www.nikkansports.com/battle/news/201805040000234.html

まあ要するにわたしの印象としては、「カッコいい(と内館牧子が感じる)レスラーには甘い」というところだ。
もちろんそういう愉しみ方もありである。
わたしも(素敵!)と感じる女子テニス選手には甘いし(笑)。
しかし論評中で棚橋弘至のことを「タナ」と呼ぶのは(これはインタヴューを文字に起こしたものではあるけれど)ちょっと。

>タナはプロレス界きっての知性派ね。

とか言っているし(笑)。

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いっぷく

私は今図書館の本は3冊もっていますが、うち2冊はネットのクラウドサービスの紹介本で、残りは先日ブログ記事にレビューを書いたプロレスの本「告白」をまだ返さずに持っています。
最近はほとんどこのパターン(ネット・コンピュータ関係か、プロレス関係か)です。
自分では、ほとんど買わなくなりました。図書館の本も、結局借りても1ページも読まないまま返すか、予約したのが来ても取りにいけず流してしまうこともあるので、ノウハウの取得が切実なものか、新しい事実がなくても目を皿のようにして熟読するプロレスぐらいしか借りなくなってしまったのです。
時間は「ない」といっていたらいつまでもできないので、自分から作らなければなりませんね。

内館さんは物書きのくせに、話したことをライターにまとめさせているんですね。これがけしからん(笑)作家は自分で言葉を書き留めていく仕事ですから、他人任せはいけません。当該記事は口述筆記とはぢがい、ライターが話を聞いて自分の裁量でまとめたものを内館さんがチェックするという作り方ですから。いうなれば内館さんはライターの作文の監修者に過ぎません。もしかしたら、「タナ」と読んでいるのも、ライターのアイデアを内館さんが諒としているだけで、内館牧子自身が書いたら、そうは書かないかもしれません。←内館牧子の文章は読まないので、確認したことはありませんが。
で、今回はじめて読みましたが、こういう感じの映画レビューを書いている人、So-netブログにいますね。そのことでとやかくいうつもりはないので、名前は出しませんけど、自分が気に入った人には甘いレビュー。たとえば、ビートたけしがお気に入りなので、何を言おうが何をしようが上書きしないとか。
私は自分の記事に書いたように、それはホントのファンではないとおもってます。
門田博光が野村克也を語った、「おっさんは勝ったら自分の手柄、負けたら選手のせい」「でももう1回若返れたらおっさんと野球がやりたいな」という野村評。これこそが本物だとおもっています。
猪木はずるい、金使いがおかしい。でも猪木のプロレスっていいんだよな、という評価ができるようにならないとダメですね。

>「今朝のご飯です」とか「今からこれ食べます」とか(笑)、嘘か本当か分かりませんが、(それがどうした?)と思ってしまいます。

それはやはり、「おいしそう」とか「きれいにもりつけていますね」とかコメントしてもらいたいからですよね。次元の低い承認欲求ですね。
ブログというのは、不特定多数の人に自分の意見や経験を伝えるものですが、やはり読んで理解していただくための努力や工夫は、その書き手がスべきで、閲覧者に対して、なんか言ってください、とおしつけるものではないとおもいます。
そもそもネットは、不特定多数の人に見せる場ですから、どうして面識もない人に褒めてもらいたいのでろうとおもいます。
by いっぷく (2018-12-19 05:57) 

TBM

小谷野敦、ロバート・B・パーカーは読んでます。
by TBM (2018-12-19 22:23) 

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