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●「母連れ狼」末尾ルコ(アルベール)、母(うたちゃん)の日々、高倉健、「人間の重さ」、それがある『冬の華』。

わたしはアートでロックでハードボイルドでポップでジェントルな末尾ルコと名乗り、しかし地元ではふつうアルベールなのですが、「恋多きヒヨコ」でもあります。原則いつも母(うたちゃん)と行動を共にし、車いすを押しておるそのイメージから「母連れ狼」とも名乗ります。
そう、最高の介護を超えるべく。

・・・

『冬の華』、よかったなあ。
もちろん高倉健の。
監督は降旗康男。
高倉健とのコンビは幾多の映画を紡ぎ出してきた。
が、わたしの好みから言えば、降旗演出、非常に安定感はあるのだけれど、だいたい七分くらいの満足感に終わる場合が多い。
たとえば『夜叉』なんかにしても、冒頭から凄まじい日本海の映像。
日本の凄さ、怖さ、狂おしさをここまで捉えた映画はそうそうないと、(これはどんな映画になるんだ…)と期待感は極限まで高まるんです。
ところが途中から(ええっ?)というショットが挿入され始めるのも降旗演出の特徴だとわたしは認識してます。
たとえば『夜叉』は田中裕子との共演、妻役がいしだあゆみで、どちらもよいのだけれど、やはり田中裕子のスケール感は現在の若手女優たちからはまるで感じられないものだ。
夏目雅子なんかもそうですね。
これはこの前ケアマネさんとも話しましたが、今もいい若手女優、いますけれど、田中裕子や夏目雅子らのスケール感はない…と。

まあそれはさて置き『夜叉』、荒涼たる日本海の凄まじい映像などありながら、たとえば作品中高倉健と田中裕子のちょっとしたラブシーン的な部分があるんです。
ラブシーンといっても健さんですから濃厚なベッドシーンとかキスシーンじゃないですよ。
一つの部屋の中で愛を交わしたと想像させるシーンです。
が、そのシーンが(え?なにこれ??)と驚くほどの凡庸なシーンで、しかしそこだけではなく、降旗演出にはよく出てくるんです、そのようなチープ感溢れるシーン。
ところが『冬の華』は、そうしたシーンが皆無ではないけれど、補って余りある

「人間の重さ」が表現されている。

つづきます。

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(。・_・。)2k

日本映画 あんまり観ないんですよねぇ
最近の役者さんが好きじゃないのかなぁ
女優さんも最近の若い女優さんに興味ないしなぁ
なんだか 最近 上がったくらいの女性が良いなぁ

by (。・_・。)2k (2021-06-06 04:24) 

hana2021

「冬の華」、「夜叉」も観ていないのです。
健さんと組んで撮った作品では「駅 STATION」「鉄道員」「ホタル」健さんの遺作となった「あなたへ」。両作品でも田中裕子とは夫婦役でしたが。
「駅 STATION」の真冬の荒ぶる海、深雪に覆われた住民達の濃厚な関係性も含めて描いた増毛の町の光景、映像は見事でした。ここではそれらしきシーン、倍賞千恵子の思わせぶりな台詞がありました。
互いに惹かれた男女であったが、倍賞千恵子の男を射殺した事で、もう後戻りする事は出来ない。
年齢のいった二人だけれど、これからどのような人生を歩むのか、生きていく重さを考えさせられました。
「鉄道員」の高倉健ははまり役ではあったものの、映画の出来そのものはあまり感心しませんでした。
数年前宿泊した松本市の浅間温泉には同監督の生家がありました。降旗家は、地元の名士でしたから。
仰る通り、現在映画に出演中の女優達、スタイルは良いけど、田中裕子や夏目雅子ほどのスケール感は感じられません。
by hana2021 (2021-06-06 20:26) 

ゆうみ

冬の華は観てないです。
この頃 日々忙しくて古い映画も観ていないの
時間ができたら この映画も観てみたいな
by ゆうみ (2021-06-06 21:22) 

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