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吉高由里子「蛇にピアス」のヌードとSM的シーンはエロティックか [吉高由里子]

エロスとタナトスという言葉がある。
今さらのように説明するという愚は犯すまい。
下手に使うと「クスッ」とされるに違いないこの言葉だが、
それでも芸術を考える上で重要なことは間違いない。

吉高由里子が「蛇にピアス」で受けた脚光は、
芸術的脚光と下世話な脚光。
つまり「ヌードで激しいSM的シーンを演じた」ということだ。

日本は未だヌードになっただけで騒がれる。
確かに脱がない女優の方が圧倒的に多いし、
それはそれで日本かなという気もする。

何の躊躇もなく大方の女優が「脱ぐ」フランス映画こそ
今でも世界でもっとも偉大だと信ずるが。
日本が同じ感性を持つ必要はない。
日本はやはり「恥」の文化を忘れてはならないのだと思うし、
あるいは「我慢」の文化も付け加えるか。

吉高由里子の「蛇にピアス」のヌードシーンで
性的興奮を覚える男も(あるいは女も)それはいるだろう。
しかしわたしは思うのだ。
性的というよりも「聖的」であったと。

そしてもう一つ言えば、
エロスよりもタナトスに属していたのではないかと。
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