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「余命1ヵ月の花嫁」の「言いわけ」。「言いわけ」のない吉高由里子 [吉高由里子]

人間は弱いものだ。どうしても言いわけをしたくなることがある。
しかし映画の登場人物が映画そのものとは関係のない言いわけをしてはいけない。
「余命1ヵ月の花嫁」は理想の映画でありえず、多くの欠点がありながら、
それでも非常に価値のある作品だとわたしは考えているが、どうしても看過しがたい点はあった。
それは癌に犯されている千恵がその病状をテレビのドキュメント番組として制作させることを太郎に相談せずに決め、
二人が口論する場面で起こる。
そこでシナリオは瑛太と榮倉奈々に、
世間で取り沙汰されている「余命1ヵ月の花嫁」というドキュメントとその成立そのものに関する多くの批判や中傷に対して「反論」ないし「言いわけ」をさせているわけだ。
わたしの想像にすぎないが、
おそらくこのくだりにはTBSの意向が大きくからんでいたのではないか。
つまりTBSは世間で語られている反「余命1ヵ月の花嫁」的な内容の記事をかなり気にしているというわけだ。

わたしは世間でどう言われていようと、「映画は映画として」観る。
その手のゴシップにまったく興味がないと言うつもりはないが、
どんなゴシップがあったところで、作品さえ素晴らしければ評価して当然だと思っている。
逆に、映画の中で俳優に「言いわけ」させるなどというのは、あってはならないことだと思うのだが。

あの「言いわけシーン」が、二人の有望で美しい俳優が演じる役の純粋性を大いに損ねたことはまちがいない。

吉高由里子が出演してきた映画は「言いわけ」のかけらもないものばかりだった。
そしてこれからも「言いわけ」のない映画に出続けてほしい。
映画は退屈な「世間」を焦らせ、「言いわけ」させるくらいでないといけない。

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コメント 2

ton

こんにちは。
確かに、「言いわけ」の多い作品が多いと思います。それはいわゆる「逃げ」というか、いくらでも「逃げ場」のある作品ということです。胸を張って言いわけのできない状況下でつくられた映画こそ、「作品」であると思います。もちろん、榮倉奈々や瑛太の美しさは素晴らしいものです。しかし、「余命1か月の花嫁」に関しては、私はどうしても「作品」とは思えません。しかし、ルコさんが推薦されているので、見てみようかなと思います。

「紺野さんとあそぼう」も「トンスラ」も、吉高由里子は言いわけの仕様がない作品にばかり主演してきていて、しかもドラマというカテゴリーでのこの手の作品の出演に、私は拍手したい気持ちでいっぱいです。

また情報です(笑)すでにご覧になられているかもしれませんが、トンスラDVDBOXが発売されたとき、吉高由里子がスペシャルコメントを動画で残していました。最近発見して…(笑)、URLのせますね♪

http://www.vap.co.jp/tonsure/index.html


by ton (2009-05-19 07:59) 

末尾ルコ(アルベール)

いやあああ~~~。観ましたよ、即刻!
これは素晴らしいですよ。
ほんと「美しい」という言葉が一番似合う日本の女優ですよ。
あの艶のある長い黒髪、そして低い地声。
ず~っと観ていたいですね、これは。
ほんと、ありがとうございます。この動画についても書きますね。

「余命1ヶ月の花嫁」ですが、あまりお気がすすまないならやめた方がいいかも(笑)。
けっして作品全体が素晴らしいとは思わないんです。かなり通りいっぺんな作り方の部分もありますし。
ただいまの時代に主演男女優のアップの力でメジャーなインパクトを呼んだという意味で、非常に興味があるわけです。
もちろん主演があの二人でなく、おそまつな俳優であれば、完璧に無視したでしょう。
「アップの力」と「主演俳優の力」という観点に興味がおありなら、一見の価値はあると思いますが。

                     末尾ルコ(アルベール)
by 末尾ルコ(アルベール) (2009-05-19 13:12) 

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