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転がっていたカナブン [末尾ルコ(アルベール)より]

カナブンが転がっていた。
腹を上に向けて、脚をバタバタさせていた。
ぼくはきちんと歩けるように背中を上に向けてやった。
とてもいいことをした気になった。
一日に一度が打算のない「いいこと」をしなければ。
しばらくしてまたカナブンを見てみた。
動かなくなっていた。
どうしてなのだろう。
さっきバタバタしていたのは、死への抵抗だったのか?
ぼくは首をひねりながら家路についた。


                    末尾ルコ(アルベール)

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