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地方中小食品会社の副社長佐野の給料と電話 [小さな小説集 正気と狂気の間]

その時間、佐野は忙しかった。
電話が鳴った。
出ると、部下の磯部だった。
(なるほど、磯部か)
そう自覚的に思ったわけではない。
しかしもはや佐野の本能が「自分より上か・下か」を瞬間的に判別する。
「何じゃお前、おれ忙しいんじゃ。こんなときにかけてくるな、ボケ!」
ガシャン。
少しだけ、佐野の心に満足感が拡がる。
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